陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
超・短文更新 上司と部下

ようやく熱中症の危険性が去った今日この頃です。

もうそろそろ紅葉だな。新緑はエネルギーと若々しさで山を溢れさせていますが、赤く染まる山も良いですねえ。どこか寂しく、そして風情があります。

「で、キミ、山には登らんの?」

昼ごはん食べながら、我が女上司・主任に聞かれる。

「今なら遭難しても、凍死の危険性はないでしょ」


「山はしばらく封印です」

「へええ」

ここでかいつまんで、山を封印した事情を話す。

「と、言うわけで怒られましてね……それでまあ」

ほーと主任。

「そりゃあそうだろ」

「……あのー少しは慰め……」

「山登っているヒマがあったら、先生、下手な小説何とかしろって意味じゃないの」

「……」

「第一、キミ、去年小説応募して落ちたんだっけ」

「……」

「先生が正しい」


仲良くない上司と部下は、時としてその関係を越えかける。

食堂からそのまま、早退しようと思ったわ。


そして今日は10月24日、文鳥の日。

文鳥万歳を叫ぶ日です。

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好みの文章

本棚を整理していますと、当たり前ですが自分の好きな作家ばかり。

へー、ほうほう、ああらまあと頁をめくりながら整理しているので、作業が進みやしない。

で、読んでいて『おや』と気が付いたのです。

自分の文章の好みについて。


塾でよく言われるのは『簡潔に分かりやすく、セリフと描写でキャラクターに演技をさせろ』

最近は、映像文化のせいで、セリフ主体でシーンを思い浮かべやすくしたほうが読者の想像力を刺激する、シナリオをまずベースに、というもんです。

うん、黒川博行さんなんかそんな感じ、

私が読みやすいな~と思う方の作品は、セリフと簡潔な描写で映像が浮かぶ文章。

元々、シナリオの仕事をされていた方も多いんです。

月村了衛さんの『機龍警察シリーズ』もセリフと無駄のない描写で、スピーディに話が運びます。大好きですねえ、桐野夏生さん然り。


かと言って、その対極(?)の文章も好きなんですわ。

過剰すれすれ、濃密で静謐な、まるで人間の中身を解剖して一つ一つをクローズアップしたような描写。小池真理子さんや、故・森瑤子さんが好きですねえ。

不思議とカテゴリ的には同じ文体であるはずの、男性作家のあの人は好きじゃない。何だかナルシズムがあるのよ。


さて、過去に書くばっかりで、読むことしなかったせいでアウトプットとインプットのバランスが崩れ、えらいことになった……という愚行を犯した私。

今回は書きながら読む、というバランスを取った策を考えたはずなんですが。

「や、やばい! 昨日今日で文体が全然違う!」


昨日は藤本ひとみ、今日は浅田次郎という影響がモロ出し。

これが作品的に素晴らしければとにかく……ううむ。

大輪のバラと千鳥格子をパッチワークで繋げたようなもんになっとるわ。


今更だが、これって影響の強さ云々というより、己のスタイルをちゃんと確立していないという証明なのでは!


じゃあ何なの、今までの私って!

ごった煮?


……迷宮から出てこないと、課題が書けません。

救援隊求む。





ススメの苦悩

さて、あらゆる抵抗もままならず、ついに「次の展開にススメ」となってしまった我が課題。

風の音を聞きながら悩む……この人喰いイケメン男子高生をどうするかだ。


殺せ殺せと、まるで異端審問に引っ掛かった魔女容疑者か、フランス革命で吊り上げられた貴族みたいな扱いですが、このキャラクター、実は前回ボツを喰らったSF風ラノベ調ホラーの主要キャラクターでもあったのね。

あれの引継ぎでもありまして。

ボツ喰らった挙句に殺せって、ひどいですやんか。

「でも彼のような、何も目的も持たないキャラって書きにくいですよ」

と、兄弟子。

そうですとも。

キャラクターを動かすには「目標」「何者になっていくのか」が要りますから。

主要キャラには虚無的ってあんまりないんですよ。空っぽの人間が何か目標なり使命を持って動くのが面白いんであって、何もない奴が何もないままでは、ストーリーの組み立てがしにくい。

それでは、どうやってこのキャラを面白く動かせばいいのか考えなくては。

と、言うわけで、改めてイケメン人喰い男子高生を分析してみた……って己が作ったキャラだろうがよ。


あー、コイツ言ってしまえば、器用貧乏なのよね。

カオも良いし、何もしなくても成績優秀だし、運動神経も良いし、何もしなくても女子は寄って来るし、でもそれに関して何の感動も嬉しさも感謝もない奴。

せめて自惚れすらあればもっと幸せだったろうけど、最初から能力を備えている分、他人が自分にどうしてそこまで持ち上げるのか、理解できないし、他人に興味なし。

他人の興味が無ければ、自分の能力の価値が分からない。むしろ冷ややか。


改めて分析してみると、かなりイヤな奴であることが判明。

……殺しちゃおうかしら。


ああ、待て待て。

どうせ殺してしまうのなら、思い切りイジリ倒してからにするか。

幸いなるかな、彼は虚無的だが、両脇にはクソ真面目中年男、恋に狂うスリーサイズオール100もいることだし。


虚無的キャラを、どう料理するかがかかっている……我が課題でした。




塾のそちら側

合評。


やっとこさ、人喰いイケメン男子高生再登場。


夜の川沿いで、帰宅中のサラリーマン自治会長とその息子、そしてスリーサイズオール100と顔合わせ。

幼馴染であるイケメン人喰い男子高生を、愛ゆえに喰わんとするスリーサイズオール100、当然彼女の愛を断固拒否、始まる二人の死闘!

痴話喧嘩はやめろと仲裁に入るサラリーマン自治会長、さて、二人の恋の行方は?


……書き直しを期待する私の前で下された宣告

「ハイ、進め」

「えー、あのー描写など細かい修正はないのでしょうか? 例えば、痴漢撃退スプレーよりもクマ撃退スプレーにしろとか、そういう指摘を修正したいと思うのですが……」

心の中の声。

次の展開考えてないので、猶予期間をお願いします。


「別に細かいところはどうでも良い。ススメ」

絶句する私。や、やばい。

「先生、ブログをお読みですからねえ」

「史上初・課題を次の展開にススメと言われて、それに抵抗する塾生!」

どこかで聞こえる仲間の声。


「それにしても、コイツ出て来た時『昔の面白くない知り合いに再会した気分』になったわ。男子高生もう殺せば? おもろないし」


ひどいなあ。


イケメン男子高生をどう面白くすればいいのか、次の展開はそれにかかっている……

あーどうしよう。

塾の当日・超短文更新

合評ですねえ。


ああ、次に話がススメとなったら、さあ、どいういふうに話を持っていけばいいのか。


絶賛悩み中です。

何でこんなに文が少ないのかって?

だって、出勤前に予約投稿書いているんだもん。