陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
塾の裏側

課題提出。


そして飲み会。

「自分出してる、課題小説や。あれをどうやって怖くするか、という話やけど」

前日、ブログに書き留めていた作品反省の事ですか、先生。

そうなんですよ、あれってどうやってホラーへと軌道修正すべきでしょうね。


「そもそもやな、ゾンビや吸血鬼ってジャンルは、日本の風土には合わへん」


まあ、もとはと言えば原産地は異国の宗教信仰や民話、伝承からきたモンスターですから。

洋画の影響だもんね、どっちも。

恐怖、というのは肌感覚ですから、現実とどこかリンクした部分が必要。

まあ、私の課題小説も、一応人間喰いたくなる理屈は医学的(?)にはつけてますけどね。


「でもなあ、やっぱり嘘くさい」

「あの話がリアルだとすれば、私たちは怖い現実を生きていることになりますね」

「もう『怖い』は諦めろ。最初に言ったやろ。この題材は怖くないで、とな」

先生、無情ですねえ。

「血いドバドバ出れば良いってもんちゃう。自分、ホラーのゾンビ見て怖いか?」

「確かに怖くはないですね。時には焼肉食べながら見てますし」


怖い、というよりスリルですね。

後は、ゴア描写や特殊メイクの凄さに目が行ってしまう。

特に、子供の頃に観た13日の金曜日やサスペリアのスプラッタ場面、トム・サヴィーニの特殊メイクには衝撃でしたね。

当時、あの人のメイクの『肌色』『血の色』はリアルでした。


「エンターテイメントとしては、まあエエんや。でもホラーの怖さはない」


ワインを飲みながら、先生宅の天井を見上げる私。

今日も三船がいっぱい。


「また前回のSFラノベホラーに続いて、また何かを諦めるんですかぁ?」

「しゃーないやん、怖くないんやから」

「しゃーないですけどねえ」

 それでもまあ、何とか仕上げますよ。


……作劇塾の飲み会は、合評のおまけ、および作品の悩み相談の場でもありまして。

その時の模様を思い出しながら記述してみたら、ホラーが怖くないという、モノ書き的深刻な話が、えらく軽いぞ!


「こういう、自分のジャンルという一種の主義、そして嗜好に関するものは、ちゃんと悩んだほうが良いんだろうか?」


でもさあ、元は『好き』で始めたことに対して、あまり突き詰めて考えるのも精神衛生上よくない。

悩むべきなのか否か、絶賛悩み中。













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作品反省

本日、作品提出。


と、言う訳で読み返してみました、我が課題『ホラーのつもり小説』

「……やっぱり怖くない」


しみじみです。いや、それを言ったらお終いよ、ですけどね。

人体破壊など、絵的にはかなり『厭』な場面は多いんだけどな。

しかし、血しぶきをもってしても、ホラーになり切れていない原因は何ぞや?


ええ、分かっていますよ。所詮ストーリーの空気はキャラクターが作るんですよ。

よっく分かりましたよ。

今、話は中盤に入ろうとしていますので、まだまだホラーに挽回できるかな……とちらりと考えます。


スリーサイズオール100ヒロインにサラリーマン自治会長、この二人のせいで色が変わったこの話を、もう一度陰鬱ホラーに戻すには……やっぱり、暗い性格のあのキャラを使うしかない。


さあ、どうやって展開を練ればいいんだ?


そうだ、こういう時のために、塾の飲み会があるのではないか!

さあ、聞いてみよう、相談してみよう、いい知恵浮かぶかも!


そして、酔っ払い頭は創作相談の目的を忘れ、全然違う話や議論に朝までいっちゃったりする。


これを毎週繰り返し、結局、課題はまだホラーの軌道から外れたまま……

今週こそ、目的の話は出来るのか?






塾の前日

金曜日の夜は塾ですので。

この夜に、土曜日の朝の分までお洗濯やお掃除。

そして、土曜日にはびわ湖ホールへコンサートへ行く予定もあるのでね。

お出かけの準備など 

大阪フィルハーモニー交響楽団 大植英次指揮です。

なんか聞いたことある人だなあ、先生に聞いてみよっと……と思う私。

ベルリンフィルにウィーンフィルを無駄に聞いただけはあります。


いやはや、何とか間に合った課題です。

神頼みにおまじないに妄想を駆使しまくりました。

何度『やばい、時間が少ない。日曜に比叡山へ登っている場合ではなかった!!』と思ったことか。

これから、山に登るのは課題を提出し終えた週だけにしよう、でないと後がキツイぞと、酒を飲めず本を読めず、映画も観られずでパソコンを叩いていたのですが、結局何とかなるものね。

この場合、クオリティより『期日に間に合わせる』が最優先ではありましたが、無事にゴール。


そうなると、我ながら愚かなもので

「今後、課題提出の週は山に登らない」から「後を締め上げれば登山が出来る」


……こうやって、人は楽に流されていく、と言いたいけれど、これって『楽』というのか?


しかし、思うことあります。

インドア集団作劇塾から見れば、今の私の状態は「アウトドアに魂を売った奴」と言われてもしょうがない。黙ってそしりを受けようと思うのですが。

「まあいいんじゃない? どうせ赤札処分のやっすい魂なんやし、売って大した値はつくんか? 」


そう言って許されたら、かなり微妙な気分だな……











結局ここに着地かよ?感が……

ホラーの定番展開は『閉塞された空間で化け物に追い詰められる』ですね。

物理的にも精神的にも、これが当てはまります。

閉ざされた空間で追い追われつ。ゾンビやスラッシャーではお約束ともいえましょう。


さて、現在書いている課題は『人喰いウィルスに罹患した人間に襲われる人間のお話』

ではありますが、主人公は人喰いイケメン高校生(理性アリ)彼に恋するスリーサイズオール100ヒロイン(理性無し)44才妻子持ちのサラリーマン自治会長(くそ真面目)という、行き当たりばったりが生みだした設定。


合評で『次の章へ行け』といわれるたびに、今後の展開をどないせいっちゅうねんと頭を抱え、神社へ願掛けして山に登って山頂で悩む……それを繰り返してきたのですが。


街に漂う、不穏な気配。

誰もいない住宅街。生臭い匂いがあちこちから漂い、火事らしきものが見えるのに、サイレンが聞こえない。不気味な気配とイヤな予感に責められながら、自治会長一家は、公民館へ向かいます。

現在、自治会長一家は公民館に立てこもっております。


話には王道というモノがありまして。

ええ、手垢のついたお話が、設定を面白く書くのが作家の腕だと分かっちゃいます。

でもさあ、行き当たりばったりが生みだした設定だろうと、訳の分からないキャラクターを出そうと、結局この展開になったのか……と感慨にふける私。


で、忘れ去られるどころか、皆の関心をほぼ失ったイケメン人喰い高校生をどうすればいいんだ。

スリーサイズオール100ヒロインの食欲……いや、恋の結末は?


しかも、新キャラを出しちゃったよ。

王道という風呂敷の中に、納まりますように。






山へのお誘い

一人一人はマイペース。

書いているものも、物事を見る視点も、愛するものもジャンルもそれぞれ。

仲が悪いではないけれど、一致団結という場を見たことが無い気がする……それが作劇塾(反論OK)


しかし、反・アウトドアとしては一致団結し、非常な抵抗と非好意的態度を見せますね。

その気になれば一生家にこもって、映画と書物の海に浸かっていられるという先生を筆頭にした、無敵のインドア集団です。アウトドアの扉を開けた、私を見る目が冷たい。


「山のどこが楽しいんです?」

「そんなもん疲れる」

「あかんな」


まあそんな声を背中に浴びながら、山に登っていくわけですが。


良いもんですよ、山。

平地を歩く以上に体力と時間が要りますが、山の中って、街中と違って派手な色彩や人工的な音、余計な外部情報が無いので、視覚と聴覚に優しいんですよ。

そして、時折、エア・ポケットに落ちたように、山中全くの一人きりになる瞬間があります。

見回す限り、人の気配は無し。あるのは樹々と岩、そして鳥のさえずりと風。


余計なモノが見えず、聞こえもしない。そして黙々と足を運んでいるので、考え事に没頭できるし、また、何も考えずにもいられる。

たまに、途中のご褒美のようにある山の上からの眺望。

小さな街並みや海が、自分の所有物の気分。

「ほほほ、愚民ども」

……山中、一人なのを良いことに、麦茶片手に征服者の気分に浸る。


先日、比叡山に登って、帰りに『紀貫之』のお墓に寄ってみた私。

道中、山道を教えてくれた親切なロマンスグレー登山者が、その場所を教えてくれたのです。

「紀貫之のお墓は、時間があったら行っときなさいよ。琵琶湖がよく見えるから」


山中、樹々に囲まれた場所に、紀貫之のお墓はぽつんとありました。

三十六歌仙で、土佐日記の作者。でも想像以上に簡素で小さなお墓でした。

この地から見える、琵琶湖の風景を愛した貫之は、ここに墓を建てて欲しいという願いだったそうで。

「……ふーん」

そんなに琵琶湖が良く見える場所かいな……? 

首をひねりながら、その場を離れて数分ほど下ると……おお。

ロマンスグレーの仰る通りでした。

「うわ……」

樹々の間から、広がる琵琶湖の青と、空の青。二つの青が溶け合う光。

しばらく、見入っていました。

「また、来るかな」

山の良いところって、お店や施設と違って、無くならないところ。

私の見る風景と、紀貫之が見ていた風景は違うでしょうけど、同じものでもある。

ロマンスグレーの男性に感謝しつつ、下山した私。


それにしても、山登りする男性は実にいい人が多い。

と、言うことなので。

青年たちよ、人格を磨くためにも山に登れ。