陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
退屈な日常
・・・・・・このブログの題名は、陶磁器と文鳥~も入ってます。
それに関わらず、その話題がほとんど出てこないのはどういった事か。
「一週間に一度は更新せなあかんで」
とは先生のお言葉。

しかし、ブログに書く内容とはまあ、一般的に見れば周辺雑記に論評など。

日常生活にフツー、ネタは無いです。
まあ、よほど特殊な職業に就いている人ならあるけど。

今週月曜日、通勤途中、梅田駅に降り立った瞬間に体がが光の中に包まれた。
気がつくと中世ヨーロッパによく似た街並みの中に突っ立っている。

『何かお困りですか? 旅のお方』

話しかけてこられても、英語は分からん・・・・・・そう思ったらドイツ語じゃないか。
あー、良かった。初歩のドイツ語なら何とかなるわ、NHKドイツ語会話で毎日15分、半年も続ければ、日常会話なら出来るのよ・・・って言っている場合じゃないだろ。ありゃ、なんだかこいつら服装も違うぞ。いやいや、服装っていうか、服の裁断からして違うの。
何というか、貫頭衣っぽいていうかね。

おやおや、そんなこと言っている内に槍や剣を持った奴に囲い込まれて、お城へ連れて行かれた私・・・・・・。
なんちゅうか、そのお城って本当に要塞みたいなお城。まあいいや。

王様の前に引き出された私。
場所は謁見の間。大理石の柱に大理石の女神像、金の浮き彫りが、壁を隙間なく埋め尽くす・・・・・・王様空間恐怖症かね。

「伝説の勇者よ、我が国は未曽有の危機にさらされておる』
 
あ、そ。ですけど、歴史上で滅んだ国はいっぱいあります。
運命だと思って滅んでくれ。

「もう一人の勇者と力を合わせ、我が国を救って欲しい」

へぇ。それより会社へ行かないと、ヤバいんですよ。まわれ右。

「わが名は、アウグストゥス2世、神の恩寵によるポーランド王、リトアニア、ルテニア、プロイセン、マゾフシェ、ジェマイティヤ、リヴォニア、キエフ、ヴォルイニア、ポジーリャ、スモレンスク、セヴェリア、チェルニフフの大公、ザクセンの世襲公爵にして選帝侯」

「・・・・・・オタク、ヨハン・ベッドガーさんっていう錬金術師ご存じ?」
「ご存じも何も・・・・・・なぜそれを知っているのだ?」

ひぃぃ、大当たりと内心ぶっ飛ぶが、現実にはぶっ飛ばない。せいぜい顔にスダレだ。
しかし、そういえばそうか。ヨハン・ベッドガーは生きた企業秘密なんだっけ。
この王様は、彼を幽閉し、当時は宝石よりも貴重な白い磁器を開発させていたのだ。
と、言う事は・・・・・・この当時、ドレスデンのザクセン選定王と対立していた強敵は・・・・・・

「あの~もしかして、敵ってカールさんて人? スウェーデンの王、カール12世」
「流石に話が早い、伝説の勇者・・・・・・おい、もう一人の勇者をここに出せ!」

のこのこ出てきたのは、何と良く知る男。
おい、ここは18世紀のドイツだよ! 何で君がここにいるの!
何で一緒に君なんかとタイムトリップせねばならんのだ、そんな悪いことした憶えは無い事ないけど、悪事をまだ認めてはいない!

「彼の名は、タケトミ。貴公と同じく伝説の勇者」
「・・・・・・知ってます」

お向かいの席です。同じ職場です。

「流石に話が早すぎるほど早い。貴公は彼と力を合わせ、ポーランド南部、クラフクを進攻しようとするカール12世の軍勢を打ち破って欲しい」

やだよ。

デブだわのろいわ毒舌だわヒネくれているわ、運動神経は見た目通りにどん底だわ、被害妄想気味だわ気は利かないわ。
暑い日に『喉が渇いた』
と言ったらみそ汁を出すような男と組んで、何が出来る。

「褒美は何でも望むものをとらせよう」
「・・・・・・望むもの」
ぴくり。
「何でもですか? 何だっていいの?」

鷹揚にうなずく王様。
この数年後、ヨハン・ベッドガーは白い磁器の開発に成功し、やがてその窯「マイセン」は世界にも有名な、超高級磁器を生産していくのであります。
うふふふふふふふふ。何でもって言うたな。

「やりま・・・・・・」
「ちょっと、あんた分かってんの?」
タケトミが口を開き、低い声で私に囁く。
「知らんのかいな。史実ではこの戦い、カール12世にこの人負けちゃうのよ」
「・・・・・・」
「あんた、さてはマイセンのテーブルセットとフィギュア下さーいとか考えていたでしょ。この目先の欲望猪突猛進。第一、あんたに戦略とか戦術とか分かるんかいな」

心底イヤそうなタケトミ。
しかし、すでに陶磁器マニアな私は、心の底から愛しているマイセン窯を手に入れるため、いかにしてそのカール12世を打ち破るか考え始めていた。
「どんな手を使ってもいいんですよね?」
「もちろんだ」
「ふふふふふ、良い案ありますよ。私の時代では国連で禁じられた武器だけど、ここなら別に良いよね」
「うわ」
何を察したか、タケトミが叫ぶ。
「あんた悪魔と魂の売買契約する気か!」
「やーねえ。売買じゃなくて、今この瞬間、レンタルだけよん」

・・・・・・なんて事でもなきゃ、日常にネタは無いです。









スポンサーサイト
塾のあちら側:バイトについて

平日の昼間は仕事をしています。
なので、合評作品なりを書くのは帰宅してから、それと土日。

・・・・・・時間が欲しい。

ノッてくると1時間や3時間、アッという間。睡眠時間を割り込めばいいだろうって話ですが、昼間の務め、仕事中の事を考えると気が引けます。何せこれで金もらっているので。
と、言う訳で寝る。
ここはぶれない私。

寝不足でミスったらと思うと・・・・・・仕事の精度の一つや二つなんだ、人生の優先基準は何やねん。目標ちゃうんかというものもありますが、義理とか責任もあるし。
第一、私が雇い主なら「俺、夢があるんです」とかいって仕事いい加減な奴、いたらクビです。
きっちり分けろ、です。

先生の教えに『バイトするな』があります。生活費の為にバイト。そのせいで夢の為の修業がおろそかになる。そして、飲み会などで業界の人と近付くチャンスがあるのに、バイトのシフトを優先して来ない・・・・・・。

コンビニやファーストフードのバイトが、今後のスキルに役に立つのか? 優先順位違うだろ?

先生はバイトのシフトを言い訳にして、修業をおろそかにする人がいた事を嘆いておられましたが、私にとっては、その逆も人としてヤバい。
雇い主としては、こっちは賃金払っているんだ。夢を言い訳にして、手ぇ抜くな、なんですね。

そして、先生の『バイトをするな』には少々言葉が足りないなと思っている私です。

出来ない、という口実を作るな、でしょうか。

逆に言えば、バイトは口実にさえしなければ、人間観察など、かなり役立つ経験ではあると思います。
しかも、責任無いけど金は稼げるし、おまけに一種出会いの場でもあるし。

イヤな奴とは? 良い奴とは? 良い上司とは? 仕事が出来る人、ダメな人の共通項、外見や口調、その気になれば見ごたえあります。

人間、1日20人くらいは他人の顔を見ないと、精神衛生上良くないとかいうし。

ついでに言えば、忙しいという人に、本当に忙しいのはいないのは本当かも。

忙しい人って、忙しいとぼやく暇も無いし、動き回るのが当たり前になっていて、すでに忙しいという観念すらないらしい。

・・・・・・これも、私の過去のバイト生活から見つけた答えです。











塾のそっち側
合評。

その課題の出来を論じ合い、批評しあうのがこの時間。
今回、その課題の出来の良し悪しがどうなのか、先生の前振りの言葉でほぼ分かる。

「それでは、まず自分、提出作品に関して、先に言いたい事あれば言うてみい」

何でこんな出来になっちゃったのか、言い訳あったら聞いてやるよ、という意味です。
そして、どんな言い訳も「ふーん」で終わります。
なので、いさぎよく言いましょう。

「ないでーす・・・・・・でも、戦闘シーンの尺が短かったかな~」

後半の付け足しで、いさぎよさ台無しです。まあ、人とはこんなもんです。

「それはどうでもよろしい」

あれ、違うのか。

さて、今回は下水道の中で、感染者の食い残しと見られる人間の死骸を大量に発見。その捜査にと、マンホールの中に入った高校生軍人2名、骨や内臓の不法投棄中の感染者と、ついにご対面。

感染者は見た目、全くフツーの元優等生ヤンキーなので、地上で待機していた仲間たちは油断してやられており、軍人2名も彼に苦戦して取り逃がすわ、死傷者を出すわ、というところ。

「あのさあ、こいつら80年後の世界から来た軍人なのよ。で、なんで肉弾戦なわけ? 武器無いんかい」
「・・・・・・そっちの方が絵になるかな~と。第一、接近戦は大抵そうじゃないですか」
「軍隊なんだからさ、もう少し高度なミッションにせんかい。第一、始発前の駅でどんちゃんやらかしているけど、騒いだら近辺住人起きるやろ。警察に通報するぞ」

「今回死んだ奴も、初出場ですしね。悲劇性を出すには、もう少しエピソードなり伏線欲しいです」
Oさんもつぶやく。

全面改稿!となりました。
さて、ネトラジ終了後の飲み会。
SF担当、T野さんのお言葉。

「今回は、設定を活かしきれていませんねぇ。80年後から来た軍人でしょ。まずですね、何だってわざわざマンホールの中に入って捜査する必要性があるのか、からです。前回、極小の移動カメラを小道具に使っているじゃないですか。それを使って・・・・・・」
「うーむ」
「下水道の中を進む二人の武器ですが、こういう場合は先頭を歩く彼はマシンガン、後ろを守る彼女はハンドガン、進むうちに、そこで感染者とご対面です。感染者は下水道の中でお食事中かなにか。まさかの場所で、思いもかけずに鉢合わせ、こういう場合、彼の性格ではいきなり発砲は無いでしょう。威嚇射撃、そこで互いは互いを敵と認め合うんです」
「ちょっと待った! T野さん、もう一回それ話して頂戴! テープレコーダー回すから!」

「憶えろよ!」
「つうか、テープレコーダーでなんやねん! そんなんもう無いわ!」
「誰の作品じゃあ!」

そこで、しみじみとT野さん。
「こういう展開がセオリーでしょうが・・・・・・あのですね、コレ、エイリアンⅡのパクリですよ」
「ワシもそう思った」
これ先生。

映画には色々セオリーがあるんだから、それ学べよと先生。
「第3の男をパくったつもりでしたが」
「下水道以外、どこがやねん」

そんなこんなで朝まで。

さて、私はT野さんの展開に沿って話を進めていいのか!
いや、どう考えてもそっちのほうが面白いわ。でもさー、誰の作品だよ。

借りてきたエイリアンⅡのブルーレイを眺めながら、苦悩中です。

駄文更新
日本の洋画家、鴨居玲の没後30周年の展覧会が伊丹市で開催! と聞いて行ってきました。
恥ずかしながら、この人の作品を知ったのはつい最近。図書館で長谷川徳七氏の『画商の眼力 贋作をいかにして見抜くのか』という本の中で知った次第。

この本も面白いです。日動画廊の社長さんが書かれた本で、創業から画廊と画商、画家との関係やその交遊、贋作はどうやって生まれるのか、そしてどうしてそれを見破る事が出来るのか、出来ないのかなど、色々なエピソードを踏まえて書かれています。

その中に、鴨居玲との交友エピソードも出ています。その流れで、鴨居玲の絵をネットで見て、心惹かれた次第。
石川県の生まれで、金沢市の美術学校で絵を学んでいたからでしょう。この人の作品は石川県立美術館に多く収蔵されていて、

「うわ、石川まで行かないとならんのか」

と、思っていたので、正に神様ありがとうございますと叫びながら、阪急電車に飛び乗ったのです。

鴨居玲って、好き嫌い分かれそうな画家です。
全体的に闇がある。虚無というのか、死の影が濃い。まあ、自死されてますし。
でも、虚無的なのに力強い。
そのアンビバレンツに惹かれております。そしてデッサンも凄い。エネルギーが渦巻いております。

表現する人って、過剰な何かを持っているとつくづく思います。
この塾に入る前でも、作家志望とかエッセイスト志望とか、何人か見てきたけど、実際に書いているのは「何だか過剰」な人でした。オタク度とインプット量は同じでも、そこにアウトプットをするかしないかで、タイプが全然違う。
ただ、書くのが好きだとか、そういうのとは別の『過剰さ』があるのです。
それをエネルギーというのか、執念というのか上手く言えないのですが。

さて、その『過剰』の正体は何なのか。それがプロの条件であるとすると、それは書いている内に培われるのか、それとも最初から備えていなければならない条件なのか。

・・・・・・今度の授業で聞いてみよう。
大人の条件
先日、知り合いのご母堂が亡くなったらしい。確かもう80越えのはずで、もう、痴呆状態で最後は病院で亡くなったと共通の知り合いから聞いた。
私が知っているのは、同級生であるその娘。でも再婚しているので、血が半分つながった姉妹がいるらしい。
最後、その母親の世話をめぐり、血が半分つながった姉妹の中で、介護問題でもめたとか何とか。

「もめたも何も、確かPさんは元々親の介護要員として育てられたようなもんじゃないの」

Pさんは両親が年をいってから出来た娘で、確かそんなこと常々言っていたのだ。
「私が親の面倒を見なくてはならない、そう育てられた」と。

実を言えば、そのPさんとは数年前に仲たがいして絶交状態、薄情者だと罵られた事をいまだに根に持っている私は、つい辛辣になりまして。

「なんですなあ、話を聞いてりゃ、その母親の面倒は血が半分の義理姉にに押しつけたってか? 酷くないか? その姉を置いて、結婚して出来た最後の娘がPだろう。そりゃ、遺産は無いにしても、親の会社が倒産するまでは、Pはいい生活していたじゃないの」
「そうなんだけどねえ、Pの旦那とPの両親が不仲らしかったとか」

共通の友人は述べた。

「数年前にPの実家の会社が傾いた際に、金銭トラブルが勃発して、旦那も巻き込まれたんだと。そこで親をとるか、自分をとるかと迫ったんだって。まあ、その親と旦那さんは以前から色々あったらしくてさ。旦那さん、結婚前に家庭環境の事で、Pの両親に酷い事言われて、それをずっと忘れていなかったらしいね」

彼は母子家庭だった。当時会社経営していたPの両親からすれば、見下しの対象だったらしい。

「あー、そりゃ忘れんでいいわ。いや、根に持っとけ」

世の中には、許さなくても良い事もあるのです。

「まあ、しかしPにとっては実の親でしょ。表向きは絶縁しても、隠れて世話しに行ったり、自分が借金してでも、お金貸したりしていたようだけどね」

しかし、結局は親の介護をめぐってトラブルとなったらしい。
義理の姉からの電話も、無視するほどの。

「ふむ、私が面倒みます! 助けは要らない! いいえ、この私が!・・・・・・って争いではないのね」
「それは美談でしょうが。トラブルじゃないでしょ」
「最後まで、親の面倒は見られなかったって事か」

自分でも分かる嘲りの口調。つい、口の片端を吊り上げて笑う。

「そりゃ、親も亭主もちゃんと守れなかったって事だろ」

親が当時の婚約者に、片親であることの暴言吐いた時、彼女はとことん親に怒鳴るべきだった。夫以上に怒り狂うべきで、夫の前で、親に頭を下げさせるべきだったと思う。
それをせず、裏で「うちの親は頭が固い」とか嘆いているだけだった。そりゃ、夫と両親、不仲にもなるさ。

そして、夫に親をとるか自分をとるかと迫られた時。
Pは夫にべた惚れだった。夫に完全に寄りかかっていて、まともに働いたことも無いので経済力だってない。
しかし、親と絶縁か否か、二択としてはキツイ。
それでも、精神力なり、経済力なり、その無理な二択をねじ伏せる力が無かった。結局、親を見捨てた。

親の言いなり、夫の言いなり。結局自分では中途半端で、何もできなかったわけか。

「大人って、大事な事は自分の裁量で行えるものだと思っていたよ」
「その裁量も、精神力とか経済力とか地位にによって幅があるからねえ」

幅の広さ狭さはとにかく、基本は一人でも構うもんかと生きていける力。

これさえあれば、無茶な要求は聞かなくてもいい。
簡単じゃないですか。