陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
独り酒で反省

ダンナが男と『マッドマックス・怒りのデスロード』のモノクロバージョン4DX体感型の上映に行ってしまったため、本日一人で夕食。


去年、イモータンジョーとⅤ8エンジンを称え、コスプレして観る上映会にも、その彼と一緒に観に行っている。

「4DKの体感型ということは、あの砂嵐に突っ込むシーンは当然、観客は砂をぶっかけられるのよね?」

「それに、シタデル砦から滝のように水流がほとばしるシーンもあったな」


彼らがずぶ濡れの砂まみれになることを期待する。


と、いうわけで、近所のイタ飯屋で独り酒です。

独りですから、本を読もうと思うのですが、いつもそれどころではない。

……声のでかい酔っ払いの声が、突き刺さってくる。

つい聞いてしまう。


本日は女二人連れ。

オペラ歌手のように声を張り上げて語るお話。

元彼が結婚して、その新居に招かれたらしい。


「えー! あんた、それいいのぉ?!」

「いーよお、だってもう昔の話だしいいい、ってかあ、上手くやってけるのかなあ、あの二人、時間が合わないとか言ってたぁ~」


生活時間が合うあわない以前に、昔の女を新居に呼ぶ、その感性が怖いよ元彼。そして出かけるあんた。

それにしても、酔っ払い同士の話って、声がでかくなったら悪口か過去話のどちらかね。

哲学とか宗教とか文学の話は絶対にないよなと思いつつ、響き渡る元彼の悪口、とろくて何も考えていない職場のユキミの悪口を聞いている私。


ユキミよ、とりあえずキミは、仕事できなさ過ぎてヤバいと、彼女に5回繰り返されていたよ。

期限に合わせた仕事の段取りを考え直しなさい。


思えば、先日に入ったバルもそうだったと、ワイン500ml飲みながら思い出す私。


お隣のカウンターで、同じく一人で飲んでいた若い女性なんだけど、酔い覚ましの水をお替りしながら、カウンターへ向かってでかい声で語る語る。

彼女の口から3回繰り返された「ムートン70万」なんだそりゃ。


「新婚旅行にも行ってないのにさああ、ムートン70万ローンだよ、敷き物だよ、信じられるぅぅ?」


ああ、ムートンの敷き物70万ね。

うん、部屋の床に敷く、高級な敷き物はそれくらいするかな。

しかし、そんな高級な床の上にいそうなご婦人には見受けられませんが。

そうすると


「しかも、車の敷き物にだよ!」


ワインを吐きそうになった。


「新婚旅行に行ってないのに、車にそんなもん買うかあ?」


怒る彼女。

いや、キミのダンナ、新妻よりも車の敷き物なんて、金の使い道が狂ってるってば、怒れ。

いや、キレろ。こんなとこで飲んでいる場合か。

殴ってこい!


……ああ、毎度のことながら、一人だと酔っ払いのグダグダ話をつい聞いちゃうな。

仕方がないわな、だって酔っ払い、声がでかすぎんのよ。

立ち上がった私は店員さんへ。


「すいませーん!!!!お勘定!!!」


オペラのように響き渡る声。

お隣の家族連れ客を驚かせてしまった。

すみません。これから筆談にします。





















駄々文更新

すみません、ワイン1本あけて鍋食べて雑炊食べて羊羹一本、芋けんぴ一袋食べて、二年前に購入した中国茶を飲んだら、何だか胃がちょっと変です。


課題小説の手直しがやっとです。


もう寝ます……

ふーふの結論

1月1日に離婚話、2日に離婚話、3日にやはり離婚は面倒くさいという結論に達し、結婚生活続行を決議。ろくでもない正月ですわ。

まあ、新年の新たなる出発と思えばよろしい……と考え直してはいますけれど。


「ほほう、結局お互いを期待しない、ということに落ち着いたと?」

 

夫婦二人が到達した結論を話すと、上司の女性主任、ちょっと考え込む。

「大体夫婦喧嘩なんて、どっちが悪いとかは必ずしも言い切れないものだけど、つい相手に対して緩みというか、甘えが出るのも仕方がないと言えるけどね。大体、期待しない人間関係というのも寂しくない?」

「そうですけどねえ……まあ、寂しい結論と言えばそうなんですけど」

 しみじみと私。

「嫁は自分の事しか考えてないと怒っていまして。しかし、自分が自分のことを考えなきゃ、誰が自分のこと考えてくれるのさ、ですよねえ」

「……」

「私に言わせれば、キミは世界人口40億の中でただ一人、このわたくしのわがままを聞ける選ばれた男なのよと思っちゃいたんですが」

「さっき言ったの取り消し」

全面的にアンタが悪い! と怒られました。


今のところ、この話題に関しては四面楚歌中。










まだ課題に悩む

さて、今週は課題提出。


44才サラリーマン、いやいや自治会長を務めているの章です。


近所の高校で、大量殺人と集団自殺が同時発生。

おかげで周辺の学校は下校時の監視や放課後の活動の禁止など、大わらわ。

主人公の自治会も、通学路の下校時の監視に、なぜか避難訓練の要請が消防から来たりする。

もう、会長職なんか捨ててしまって、この町を引っ越したいとキレる主人公ですが、子供たちの教育上、父親が途中で役目を放り出して逃げるのはよろしくない。


そんな時、スリーサイズ100ヒロインの元へ見舞いに行ってくれと、町内会から要請が!

何と、スリーサイズ100ヒロインの親は自治会員で、班長さん。

人喰いカーニバルのため、咽喉に人肉が詰まって呼吸困難で入院中のヒロインへ、町内会からお見舞金が出てしまったのです。

「看護婦さんの詰め所へ、見舞金が入った封筒持っていけばいいから」

「いつもはそういうお使い、違う人が行ってくれていますが?」


ネットで噂は聞いているので、当然彼女の元へ行くのは嫌な主人公。

しかし、高齢者の多い自治会メンバー、腰痛だの下痢だのリューマチだので行けないとのこと。

高齢化社会の弊害か? それとも……


さて、問題は文体。


スリーサイズオール100ヒロインの章の文体に合わせるか、それとも当初の人喰い男子高生のほうに合わせるか。

この二つは、文章の明暗が完全に分かれているんですね。


最初、この主人公の性格や状況の描写を、スリーサイズオール100ヒロインの章の文体に合わせてみたんですが、そうなると完全ホラーからかい離する。


しかし、この主人公を暗めに描写したら、どうもうまくいかない。

中間をとってみたんですが、まさに中途半端。

怖くない、どころかツマラン。


「なんだかチグハグだなあ」


もういっそ、何かを捨ててしまおうか。

いや、待てよ、キミはホラーを書いていたんだろう。

こう、ゆるぎないものは無いのかね?


いや、でも捨てないと拾えないものだってあるしさ。

しかし、捨てたから拾えるってものでもなきゃ、どうすんのよ。


パソコン前で、絶賛悩み中。

まあ、いつものことです。











外で課題を書いてみる

サーフェスプロ4を新しく買った私に降り注いだのは、賞賛でも憧憬でも感心でもありませんでした。

ちなみに、年末特別価格でした。キーボードとワイヤレスのマウス込みで、13万。

店員さんに言わせると『超お得!』らしい。


「あのさあ、13万もするパソコンなんて、プロが編集とか映像とかに使うもんだぞ」

「音声の編集にも使いますよ」

「ラジオドラマの超大作でも作るのか?」


おお、また同じことを言われてしまった。

ちなみに、そのセリフはあなたが5人目です。我が部署の女性主任殿


「このパソコンは世界一、いや、宇宙一で、これさえあれば世界征服が出来る! くらいのテンションで電気屋店員さんに勧められたんですが」

「ほー。そのパソコン一つで、この私がキミに膝を屈すると思ったわけね」


はっっ、しまった! んなはずねーじゃん! そこで過ちに気が付く私。

部下の思い違いを一言で理解させる、なんて恐ろしい上司でしょう。

できるもんならやってみい、とぶつくさ言いながら職務に戻る主任。


ほほほ、しかし、このパソコンを選んだ本当の目的は、世界征服などではありません。

持ち運びしやすいのよ。重さは700グラムほどだし、バッテリーは動画連続再生9時間らしい。

どこでもブログに小説が書けるのよ、ほほほのほ。

気分を変えたい時だってあるじゃないの。マンネリ脱却、外に持って行けてなんぼのPCです。

それが売り。

と、いうわけで、家の外で課題小説を書く、という試みにチャレンジです。

場所は大阪市立図書館。

フリーWi-Fiはあるし、資料もあるし、静かです。気が散るものもない。


……結果。


Wi-Fiがなぜかつながらない。

なので、ネットで調べることが出来んかった。

それにね、気が付きました。家じゃないから、大あくびに昼寝に頭かきむしりが出来ないの。

文章の音読もできないの。

後ろを歩く人が気になるの。


そして、カバーに傷が入る。

もう、外にもって出るのはやめた。








課題の悩み

課題提出は金曜日なので、木曜日には書き終えている必要性アリ。


前回、人喰い主人公の現在を書いた結果、それはカットとなりました。

「44才妻子持ち銀行員、イヤイヤ自治会長の日常の章」

を書き進めろと。

しかし、銀行員の日々が『パニックの予兆を感じさせる編』

その次の章である、人喰い主人公の現在『そろそろ日常は崩壊です編』をカットするということは、構成上、44才銀行員はさっさと『日常は崩壊』に直面しなければということに!

展開が遅いのは私好みじゃない!


別に、スティーブン・キングをけなしている訳じゃないけれど、私がキングの長編をあまり読まない原因って、これなんですよ「展開遅い」

『シャイニング』『呪われた町』なーんか話がダラダラ。

確かに、彼の作品に描かれる恐怖の特徴は、ゆっくりじっくりと日常の土台がずれていく違和感なんですけどね。


まあ、じりじりとずれていく銀行員の日常なんて、面白くもないや。


しかし、ここで新たなる悩み発生。

そうなると、構成も場面も全体像を考え直さなくちゃなんですね。

合評で指摘されなかった部分も、修正せなならん。

いや、分かっちゃいるのです。

直しを入れるなら、指摘の入らなかった部分にも手を入れなくちゃいかん。そうしないと、全体的なプロポーション、つぎはぎ感が出てしまう恐れがあります。

それにですね、崩壊の前に『予兆』がないと、唐突感があってよろしくない。


さあ、どうやって予兆を作る?

44才会社員と、17才スリーサイズ100と人喰い高校中退主人公と、どうやって接点を持つんだ? 同じご町内ではありますが、どうやって3人を相対させる?


話の作り方が、行き当たりばったりでしょ? と指摘されましたが、行き当たりばったしでしか出来ないのよ! 崖っぷちだわ! と今週も叫んでおります。

でも、これが楽しかったりして。

特に今回、44才自治会長です。今まで使ったことのない役職とキャラクターですから、自分でもどんなネタが思い浮かぶか、見当がつかない。


ちなみに、キングの長編はあまり好きではない私ですが、短編は好き。

『ドランのキャデラック』

犯罪組織のボスに、事件の証言者となった妻を殺された小学校教師が、ボスの車が毎年走るルートに目をつけて、本職の合間にバイトをし、その知識を使って復讐を企てる話。

いいなぁ、この殺し方……




















塾生in賢見神社

SF担当のブログ1月3日記載の『呪いの初詣』


この当日は冬の大寒波が来るといわれておりました。

何せ駅からタクシーで30分かかる山の上よ。雪道をタクシー行けるんかいな。

場合によっては中止だな……と思われていたのですが。

何と、実現したとは。


「ほほほほほ、晴れ女のわたくしのお・か・げ」


集合場所。晴天の岡山駅で一人高笑いの私。

「数年に一度の大寒波を退ける私の晴れ女パワーも大したものよね」

ほほほと集合場所のホームに向かう私。でもきっと、この駅の中には全く同じことを考えている人間、行楽客は少なくとも1000人はいるね、きっと。


さて、無事にビール担当とSF担当と合流。

このお二人の顔を見て、ふいに違和感ある私。

徳島行きの特急に乗車、その車中の会話にて、この違和感の正体が判明。

「私たち、太陽の下で顔を合わせたのは初めてではないでしょうか?」

……それだ!

昼間に会ったことないのよ、私たち。

今までずっと、午後9時から夜明けまで一緒にいるだけのオトナの関係。

「字面だけ見たらナンですわ」

「私たちって、不健康な関係だったんですね」

「うわあ、太陽の下で顔を合わせるのって新鮮」


道中の会話で露わになる、驚愕の事実。

今まで、私たちってお互いを知っているようで知らなかったのね……

まさか、こんなに昼食の食べる量が違い過ぎるだなんて。

スダチが嫌いだなんて……そば派とうどん派に別れるだなんて……


と、太陽の下で、新しいけれどどうでも良い素顔をたがいに晒しあいながら、駅前の商店街で昼食。

うどん屋は全て定休日。おい、飲食店が日曜日に休むってどういう了見だ。


そしてタクシーに乗って賢見神社へ。


本当に山の上です。

参拝者は私が思った以上に多い。

高松在住の知人はこの神社のことを知らなかったらしいけど、有名は有名ですからね。

「邪気払いの神社? じゃあお祀りしているのは素戔嗚尊かな」

と知人が呟いていましたが、その通りだった。

主祭神は素戔嗚尊・応仁天皇です。


SF担当と御祓いをして頂く。

不思議な祝詞でした。名前や住所のあと、聞いたことのない抑揚の調子のお祈り。

頭の上を金幣で祓って下さるのですが、何だか頭の上が清浄になった気がする。

そして御祈祷の後、お札を頂いてから、3人で境内を散策。

つくづく思うのですが、神社って、空気の密度が高いですね。そのくせ、澄んでいる。


ずっと神社でそのまま待っていてくれた親切なタクシー運転手さんに、池田阿波駅に戻ってもらい、駅前の喫茶店で甘味タイム、そして16:20の帰りの電車に乗る。


そして岡山で解散です。

ここには書き記していない三人の会話に行動と、濃厚な休日でした。








塾の向こう側

合評。


新章に突入。次の主人公は44才サラリーマン。

第二地銀の法人関連の部署にいる、事務担当課の課長。

やや短気ながら、フツーの人です。妻と子供が二人。中二のお姉ちゃんと小5の弟。

町内の自治会の会長です。


ある日の平日の朝、7時にマンションのチャイム。

朝っぱらから主人公の元にやってきたのは、自治会のオバサン。

先日の自治会で決定したことに不満があり、朝から自分の意見を言いにやって来ました。

追い返すと、次は何度も携帯を鳴らされる。

そして、オバサンは会社に電話までかけてくる!


オバサンは会長である主人公に訴えます。


オバサンは、近所のゴミ捨て場のパトロールをしています。

皆がちゃんと分別のルールを守ってゴミを出しているか、時には袋を開けてチェックしている。

そんな彼女が、日頃から怪しいと目を付けたのが、近所の主婦。


彼女の出すゴミは、周囲のゴミ袋とは違う、中身の見えない真っ黒なゴミ袋。

しかも、そしてゴミ収集車がゴミ袋を回収するまでその場を離れない。

もしかして、いい加減なゴミ出しをしているんじゃないのかしら?

疑惑と正義感に駆られたオバサンは、そのゴミを開けようとします。

そして主婦に突き飛ばされたのです。

傷害事件だと怒ったオバサンは、この憤懣を会長である主人公に訴えようとしていたのでした。

「あんな人を放っておいたら、とんでもないことになる!」

会長職に疲れる主人公……

しかし、彼はその真黒いゴミの中身を知らないのであった。


さて、その頃。

人喰い主人公の家庭では、大きな冷蔵庫を購入。

その冷蔵庫は息子である人喰い主人公の勉強部屋に置いてあります。

ひと際異質を放つ、その冷蔵庫。


その冷蔵庫の中身は……中身が露見した時は、家庭崩壊です。怯える主人公の母親。


「人食い主人公の家庭の場面、いらんわ。このまま自治会長の視点で行け」

「あれー、そうなんですか」

「自治会長、特に何の事件もないままで、章が終わっているやん。オバサンが主婦に蹴られただけやろ。それにやな、前回スリーサイズオール100が引き起こした事件で、世間はもっと騒がしいはずや。特にこの会長のは、あの二人と同じ町内やろ。肌身にひしひし感じているはずや」

「あーあ、人喰い主人公の家の冷蔵庫エピソード書きたかったんですけどねえ」

嘆く私に非情なアドバイス。

「自分が書きたいのは、あまり面白くない傾向にあるな」


ええええと私。


「自分、書きたくないものを書かせたら、内容がええねん。書きたかったもの読んだら、面白くないねんな。あのラノベテイストといい」

「悲劇ですねえ」

「いや、結構ありがちやで。あの有名なアニメな。監督が一番やりたかった作品やねんけど、評価は低い。でも監督にとって、不本意な作品のほうが評価高いねん」


ヒッチコック監督の『レベッカ』もそうらしいですね。


「悩んだほうがいい作品になるねんで。特にこの課題作品、結構遊べるで」


ホラーとはかい離していく……


そして、ラノベテイストの高校生軍人の話は、もう個人的な気晴らしで書こう。

そう諦めたのですが、気が付いた。


書く時間あるのか?!













身の回り、世の真実

大人の財布の中に、一体いくら入っているのか?


以前、新聞のコラムで読みました。社会人たるもの、財布の中には常時、年代×1,000円は入れるべきとのことです。

20代なら20,000円、30代なら30,000円ってことですね。

本当か? と思っていました。

そうなると、私は社会人失格どころか、人としての存在意義すら危うくなる。


「と、いうわけで、本当に皆さんは年代×1,000円でしょうか」


なんとなく気になったので、我が職場の昼休み、皆さんに聞いてみました。周囲は世間的には大通りを歩いている方々です。

……と、思ったんだけど


「え~!」

 全員が悲鳴を上げる。

「じゃあ、私は20,000円も持っておかなくちゃいけなかったんですか!」

「俺、カミさんにそんなに小遣いもらってへん!」

「あかん! 新聞だからってそんなん信じたらアカン! ウソに決まっているやろ」


「メディアが本当のことを書くと思っていたら、大間違いや。身の回りから考えてみろ、本当に『神ってる』が周囲で流行したか?」

……おお、いわれてみれば。

出てくる出てくる、皆の疑問。

「バーベキューを『バーべ』というのが流行っていると聞いたんですけど、そんな言葉使う奴、おらへんです」

「つうか、バーベキュー自体する奴周囲におらんわ」

「冬のボーナス平均が70万だって、そんなにもらっとらん。むかつく」

「村上春樹を読んでいる人間、おるんか? 俺の周囲の本好きは読んでへんぞ」


世の中でこうとされているものが、自分たちの身の回りには当てはまらないという現実に、皆で文句を垂れる。


「世の中が信じられませんね」

「私の周囲と、世の中の流れが交わっていないということですか」

「じゃあ、世の中何を信じればいいんです?」


「報道というのは、あらゆる事柄の一つを取り上げて、クローズアップするものですから、ウソとは言いませんが、実際よりも肥大はしていると思うんです」


世の真実よりも、己の真実を見つめるのだ……とりあえず、持ち金の年代×1,000円は信じるな、という、実に抽象的かつ定番な結論に達した職場の昼休み。


それにしても、皆の財布の中身はいくらなんだろう。















『能力』と『好き』

もう、はっきりと告白しましょう。

ええ、文章書くのは好きですけど、才能があるかどうかは天のみぞ知る。


わたくしの合評課題を読み続け、ラノベやめとけと強硬反対。

クリエイター志望の人々を見続け、時には教え子の隠れた才能を見抜き、それとなーく軌道修正されたり、塾生の将来を予言者ばりに見抜く我が先生に、ある日の午前4時に酔いに任せて聞いてみる。


「あのー、私は果たしてモノ書きに……」

「聞きたいんか?」


けけけ、と真っ黒な笑顔。

「すいません! やっぱり聞きたくないです!」

あまりの怖さに、ワインボトル1本飲んでいたせっかくの酔いがさめたわ。


好きだから、能力があるとは限らないのよねと、内心やさぐれていたある日。

知人男性と飲んでおりまして『好き』と『能力』そんな話題が出ました

彼は、小学校から囲碁のプロを目指していたそうで、元院生。

小学校5年でにアマチュア5段だったらしい。


「プロの山田規三生さんとも、子供の頃に一緒に学んでいたわけよ」


 俺も、その気になればプロになれたんだけどなーと言う彼に、思い切り人の悪い笑顔を向ける私。


「じゃあ、何でなんでキミはプロになれなかったのさ?」


答えは明快でした。


「目の前で、山田さんに圧倒的な力を見せつけられたからやな」

彼は言う。

「俺はせいぜい、秀才クラス。でも山田さんは天才。同じ碁盤を囲んで相対して、全く同じ条件下で勝負して、明確な差を見せつけられるんやで。コレ、こたえるわ。それで囲碁に見切りをつけた」

それにやね、と彼は続ける。


「プロになっても、食っていけるとは限らない。だったら普通の仕事をしようって、その計算もあったしな。第一、俺、そこまで囲碁好きじゃなかった。だから俺よりも弱かった昔の兄弟弟子が、勉強してプロになったのを見ると本当にすごいと思う。俺は能力あっても好きという才能は無かった。能力と才能は別やね」


そうきっぱり言い切る彼に、聞いてみた。


「私の小説、下手の横好きだったらどうするのさ」

「どんなドヘタクソでも、金で頬を張り飛ばせば読んでくれる奴がおる」


だが、俺は無償で読んでやろう……と、彼は最後まで言わなかった。

それでも、大人になってもずっと続けていられる『好き』って有難いものやから、それだけでも儲けやでと慰めてくれたので、崖っぷちで許す。


ところで、院生やっていたくらいに実力があった囲碁に未練はないのかね? と聞いてみたら、きっぱり「無い!」と言われました。


「だって、囲碁よりも楽しいこといっぱいあるし」


うん、確かに君には囲碁の才能は無いね。

納得した私でした。