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陶磁器と文鳥
日々の雑文、カキモノをしている悩みなど
短編の落し穴

心霊ホラーのオムニバスを観る。

え~、ある作家の元に寄せられた読者の体験談を集めた連作短編です。

ちなみに「新耳袋」ではありません。もっと新しい作品ですね。えー、ある映画のスピンオフです。


……こういう短編って、難しい。

口述というか、目の前での語りであるなら、かなり怖いんだろうけどという話でも、映像化した途端に平べったく、ありふれた印象のものになる。

何せ、語りを聞いた人の脳内映像は多種多様、各自の持つ『恐怖』の形に変換してくれますが、映像は最大公約数的なものになっちゃうし。

それに、どこかで聞いたような、どこかで読んだ話ばかりです。

唯一で貴重で恐怖な己の体験も、こうやってまな板にのせたら、フツーのユウレイ話になるのか!? と愕然とするほど。


しかも、短編です。

尺が短いから、面白いと思わなければもう良いよとばかりにスイッチオフ。

これが長編なら、最初の30分を過ぎたところで、一応ラストまで観とかないとという義務感もあるんですけど。


どっちかといえば、短編の方が書きやすい……などとほざいていた自分を殴りました。

書きやすいんじゃねえよ、面白くないとクソもねえよと己を罵る。

前の話が面白くないと、期待値が落ちる。次の話も観てもらえない。


今さらながら、ショート・ショートの星新一先生の偉大さが身と目に染みる。

涙が出ます。


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礼儀作法とかマナーとか

子供の頃、しっかり仕込まれているはずの「礼儀作法」「マナー」

挨拶はキチンとしましょうから、道を塞いじゃいけませんとか、お礼はちゃんと言いましょうとか、基本のコマゴマです。

しかし、我ながら思う。その辺結構やばくなってきたなと。

店の通路を塞いじゃったとか、レジで並んでいる間に財布出しとけよとか、そういう類の迷惑野郎になりつつある。

これは反省すべしと己を振り返れば、つまり「ぼ~」とする時間が増えたといち気がつく。

空白の瞬間です。何も考えずに無の境地、修行ならとにかく、レジや道端でぼ~とされたら周囲とテンポがずれて、迷惑なものになる。

しかし、私は確かに子供の頃から「ぼ~」は多かったけれど、無意識でも意識的にでも、いちおう時と場所は選んでいたぞ。

そのタガが外れつつあるのか!

人間、年を取ると厚顔無恥傾向にあり、世界は我がものとばかりにマナーを踏みにじる、それだけではないらしい。


成程ねえ、人間は年を取れば、悪気があろうとなかろうと性質のどこかが図々しくなるか、鈍化するかして、結果的にマナー違反を犯してしまうものなのか。


最近、下手したら中高生の方がマナー良いもんね。

せめて、反面教師にならないように努力します。






めまい(非・ヒッチコック)

夕食後、寝っ転がって本を読み、顔を上げた瞬間に平衡感覚が狂う。

おや? と戸惑いまして。普通では感じたことがない感覚です。

ふわふわと心もとない目の前にある、人形のブリュンヒルデちゃんの顔を見つつ考える。

おおっ、これがもしや、めまいという奴か!

思い出したよ、この感覚。子供の頃に回転イスでグルグル回ったあと、二本足で立ってみて遊んだあの風景だ。


めまいを起こしてねえ、という人の話は良く聞きますが、実際にどんな体感覚なのかを口にする人はない。「めまい」といえば、なんとなく「立ってられなかったらしい」と想像はつく。

でも、実際の「めまい」とはこういう風なのか、ほう成程。

私にとっては、これが初・めまい。

ああ、待て、呑気に初体験に浸っている場合じゃない。

めまいって、結構コワイ病気が隠れているのです。三半規管の異常から脳みそまで、ストレスまで。幅広くカバーされておられる。

しかし、家の中で起こしたから良いものの、外出中とか家の外で起こしたら、これは確かに怖いわ。


ぐるぐると回る目の前で、そんな事を呑気に考えている間にめまいが収まる。


新鮮な驚きではあったけど、初・記念日にするには、微妙なもんです。





ドント・プリーズ

好きで悪事に手を染める人間はいないでしょうが、やっぱり悪事の金で平和を手に入れようなんて、考えちゃ甘いのです。て、ことで「ドント・プリーズ」

空き巣グループの若者三人。警備会社の父親が保管する鍵をくすねて、顧客の家を狙う少年。基本は良い奴っぽいけど、やっている事は犯罪。

ダメダメ母親の元から、妹を連れて家を出ようとする少女。必要なのは金。そして一番軽いけど、悪事運営の内情からは結構苦労していそうなリーダー。


そんな彼らが狙ったターゲットは、交通事故によって娘を失った多額の賠償金を持っている、独り暮らしの老人の家。近所は空き家ばかりなので、何かあっても人は来ないだろう。しかも老人は盲目。

簡単な仕事のはずだった。

でも、老人は元・軍人でしてね。

「座頭市シリーズ」好きな方ならば、ストーリ展開は目の前に広がるパノラマ風景。

ああ、痺れますね。老人が扱うのが銃ではなく、仕込み杖ならもっとウケただろうに、実に残念です。

近所に人はいない、このロケーションが、逆に首を絞める羽目に。

最後、コソ泥側が警備システムで警察を呼ぼうとするまで、老人に追い詰められる、その状況に笑う。


息遣いや足音で場所を相手の位置を捕捉する、まるで怪物のような老人に追われる、その恐怖をコソ泥側の目線で撮っているので、画面はホラーチックですが、老人目線で撮れば違う話になっただろうな。

ええ、でも老人もちょっと精神に異常をきたしていましてね。

まあ、可愛い娘失くしたんだから仕方が無い……のか!?


しかし、座頭市も見方を変えたらかなり怖い人です。

何せ、強い。ハンディあるのに歯が立たない、逆に、視力を頼ることなく相手を斬ってしまう技量そのものが、バケモノですね。

一度、敵方側の目線から撮ったら。

すっごくこわいだろうなああああ。






駄文更新:お茶出し

先日、来客へのお茶出しは女性の職員にさせるのは「男女差別」という記事を読む。


そうですね、この時代に「女だから」という生まれ持った性別の理由で仕事を押しつけられるなんてね……来客のお茶出しとはいえ、結構気を使うんですよ。

来客予定時刻、10分前に「来る……そろそろ来る!」とスタンバイ。セリフだけだと、まるで敵の到来を待つニュータイプのモビルスーツパイロットだよ。

相手は茶を出す人間見ているかどうかは知らんが、こっちは結構気を使うんですよ……極端な話「今日はうっかりソックスは赤だった。派手と思われてやしません?」

だの、一番怖いお茶を出す順番。

マナーブックによれば、出入り口から一番遠い席の人が偉いんでしょうが、たまに、一番偉そうな人物が席の中央に(席順で言えば№2)座っている人がいて、しかも部の最高権力者は彼の前で商談をしている……偉い人と話をするのは偉い人。

このセオリー通りにいけば、お茶を出す順番は……?


ああ、私のお茶出す順番が間違えたばかり、商談がふいに……しかも、会社全体の社員教育を疑われたらどうしようと混乱。

おいこら、この苦悩を女だけに押しつけるつもりか、こらぁ?

と、言いたいところですが。


そのひと昔まえでも、そういう論争はあったんですよ。

お茶くみを女性専用の仕事にするのは、男女差別だと。男にもお茶くみさせろと。

その話題に対して、数年前の我が直属の上司(男・40代)の言葉が耳に突き刺さっています。

「オトコの淹れた茶なんか飲みたくない!」

え~、例え若いだろうとなんだろうと、女性が淹れてくれたお茶を飲みたいそうです。

普段、お茶を淹れるという繊細な生活習慣を持たない男なんか、茶の温度とか湯呑に注ぐタイミングとか、俺を含めて期待できるはずなんかないだろうという、男女差別ほとばしる、副部長のヒドイ言葉です。男性に対し、彼は更にヒドイ言葉も言いましたが、割愛します。


女を差別するのは女だという言葉を聞いた事がありますが、男を忌避するのは男だという言葉を捧げます。

確かに、女一人暮らしはお茶を淹れてティータイム楽しんでいますが、男一人暮らしはそんなもん聞いたことがない。


性差だけじゃないけど、比較的な差といいますか、傾向はあるんだろうなあ、やっぱり。

「一人の時間に、お茶を淹れて飲むの、好き?」入社試験の時に、一応聞いておいた方がいい項目じゃないですかねえ。

もしも、緑茶しろ紅茶にしろ、お茶を淹れるのが好きな男性がいたら?

モテます。





期待の怖さ

「どっちでもいい」と言われたので、自分の好きなようにした結果、それが相手の意に沿わなかった事も一因となって、かの人と縁が切れたことがある。

私が彼の気持ちを汲んで、行動してくれるだろうと期待していたそうですが、こういう時って、期待に添えなかった(期待を裏切った)私が悪いのか、後日になって「本当はコレコレして欲しかった」と怒るくらいなら、最初から言うべきだと怒るべきか、今だに結論が出ない。


しかし、相手に期待するという事は、どんなものであれ、ある程度の信頼あってこそだし、と反省する一方で、言わなくても分かってくれるというのは傲慢ではないの? という考えもあり。

言わなくても分かってくれる、というのは幻想だわと、きっぱり言い切ってしまえば、人に対して期待はするなという、少々寂しいことにもなる。


考えれば考えるほど、堂々巡り。


これが作戦であったり仕事であるなら、ゴールがお互い見えているので道筋や戦略も言わずもがな、頭の中で結果的に共有していることもありですが、感情とかそうなると、所詮他人事ですし。


結構長い間のテーマです。

コミュニケーション

「ザ・ドールズ」を観る。インドネシアの映画です。

冒頭、貧しい夫婦とその息子が映し出されます。父親は貧しい生活から商売を始めてなんとか頑張っているんだけど、母親は貧困に耐えかねて出て行ってしまう。

残されたのは、父と息子。

そして場面が切り替わる。

若夫婦です。工事現場で働く夫、そして人形を作りながらパートもこなす奥さん。

どうやらそんなに裕福な生活ではないらしいけど、可愛い奥さんに、ある日旦那さんは喜び一杯で告げます。

昇進した。給料が上がったから、良い家をローンで買えて、返済金を除いても生活費は残るから、今より格段生活も豊かになる。

そして、二人は購入した大きな家にお引越し。幸せな未来がスタートするはずだったんだけど……工事現場の監督である旦那さん、仕事のためとはいえ、一家惨殺事件といういわくつきの樹を切り倒しちゃうのです。

その樹にくくりつけられていたのは、強盗に押し入られて一家惨殺、その娘が大事にしていたお人形。

樹は殺された一家のシンボルツリーみたいなもので、人形も鎮魂のために樹に固定されていたんだけど……そしてその人形は、何故か若夫婦の家に入り込んで様々な怪異を引き起こす、といった風です。


物の怪と、正者の間は大きな溝があって、死者のメッセージはなかなか生者に伝わらない。

大体、私のような超鈍人種も多いので、下手すりゃポルターガイスト起こしても気がつかない。

そうなれば、不本意なれど、思い切り怖がらせるか破壊するかしか方法が無いではないか。

全くもう、こっちは夜中なんかにモノも壊したくないし、いちいちドアをバタバタ開け閉めしたくないし、殺されたときのえっぐい姿を、人様に見せたくはないのよ。

でも何かしらインパクト与えないと、あんたがた動かないし、こっちの望みも分かってくれないだろ。

怪異を起こす側の、そんな声が聞こえた気がした映画鑑賞。

ええ、若夫婦は、人形に憑りつく怨霊の存在に気がつくんですけどね……彼女が訴えたい事や、知りたくない事まで。


コミュニケーション不全。

これもホラーの恐怖の一種の因子。

手探りで、見えないしコワイの相手の意志を探る。答えを間違えちゃったら、下手すりゃ命にかかわる。真っ先に殺されるのは、手伝いに来てくれた霊媒だし。


ああ、やだなあ。

フツーに話が出来ない相手ってさ。

最近、ホラーの真髄はこの「ああ、やだなあ」に込められている気がします。


ところで、人形がテーマのホラー映画は、案外有名どころの「ジュモ―」だの「ブリュ」だの「AT」が出てきません。そっくりさんさえ出て来ない。

フランスのアンティークドールからほど遠い「どう見ても怖いだろ」と叫びたくなる人形ばかり。

いや、キレイな人形が怪異を引き起こすから怖いんじゃないのか! そうツッコみかけてハタと気がつく。

アンティークドール業界の圧力かしらね。







超:駄文更新

カラスの雛を初めて見た。


時は出勤途中、場所は通りすがりの公園です。遠目では真っ黒な鳩に見えたのだけど、くちばしの長さや体格と、何だかシルエットが違う……と、近づいてみたら、くちばしの横に馬蹄斑とかいう、ゴムパッキンみたいなものがありました。

こりゃカラスの雛鳥だ。


結構、愛嬌ある可愛い顔をしています。近づいても逃げない事をいいことに、一メートルくらい近づいて観察して見ようとしたら……うわわ

視線の上にある木の枝で、親鳥が前かがみの攻撃態勢でこっちを見ている。

ばっちり目が合う。完全に私をロックオン。

うわわ、ゴメンとばかりに駅へと逃げる。おかげで、乗り過ごす寸前の電車に間に合った。


でも、カラスってペットにしたら可愛いらしい。

頭がかなり良い。下手した犬並みに頭がいいらしい、ということは、肩に乗せれば立派なボディガードも出来るって事ですね。

ネットで、カラスを飼っている人の映像を観る。撫でられている時の嬉し気な表情に、文鳥のぴいちゃんを思い出して切なくなる。


……次に雛鳥を見つけたら、誘拐しようかな。







映画日記:グッドナイト・マミー

顔を包帯でグルグル巻きにした不気味なパッケージで、結構気になっていた映画をついに観る。

「グッドナイト・マミー」ウィーン映画だしドイツ語だろ、グーテンナハト・ムッターだろと内心ツッコみながら鑑賞。

冒頭は、トウモロコシ畑でじゃれ合う仲良しの双子の少年のシーンから。見分けがつかない同じ顔が二つ、それが美少年です。いきなり目の保養です。

そんな彼らの元に、母親が帰ってくる。整形手術を受けて顔は包帯でグルグル巻き。母の帰宅に喜ぶ双子に対して、母親は酷く冷淡。双子の片割れの存在を無視すらして、食事は一人分しか作らない。そして、『二人でしゃべっちゃダメ』双子の仲を引き裂こうとまでする。

この人は本当に母親なのか? 疑う双子は母のアルバムの中に、母親と一緒に写る似た女の写真を発見。そして、双子の好きな子守唄を知らなかった! 疑惑は確信に変わり、偽のこの母親をどうやって白状させるのか、本当の母親はどこにいるのかを白状させようと画策するんですが……。


実を言えば、双子に関する伏線が結構ちりばめられておりまして、シックス・センスを観た人ならもしや見抜くと思う。しかし、部屋の中にある双子の写真などで結構混乱するんですよ。

しかし、双子が母親を白状させようとするシーンが……これはくる。母親恋しさから来る、無垢な残忍さ。漂白したような双子の表情がかなり良い。

目を背ければ良いのか、美少年二人を観賞すれば良いのか、視線が引き裂かれます。

そして、母親の正体は? 実はこの三人に何が起こっていた? 

「この人は、本当に自分の親なのか?」という子供の頃にありがちな疑惑を、見事に恐怖に仕立て上げた作品。

前半は子供目線で、後半は母親目線の恐怖にひっくり返ります。

そしてラストは……す、救いがあるんだかないんだか、こりゃ分からん。

しかし、可愛い美少年をひたすら鑑賞できた事は個人的救いです。







駄文更新:弾丸旅

自宅と会社周辺を徘徊するのも飽きた。

違う風景が見たいよなと思っていたら、弾丸ツアーをテーマにしたガイドブックを見つける。

台北は日帰り可能、たしかフライトは片道3時間くらい。現地滞在時間は8時間くらいはある。

街歩きと食べ歩きは十分可能。

そういえば、我が友人のお兄さん、上海へ日帰り出張したという話を聞かされたことがあったっけ。


日帰りなら、持ち物はパスポートと財布くらい。着替えもお泊りセットも不要。

私の旅の理想って、パスポートと財布とハンカチ、文庫本を持ってぶらりと海外へ行くのが夢だった。オオ、これなら可能じゃないか!

……と、思った時に気がついた。

故宮博物館は外したくない。

あ、鶯歌にも行きたい。あそこにも陶磁の博物館があってね……。


弾丸ツアー、断念。

旅の理想を叶えるためには、博物館めぐりは無理であることを悟った。


当分、近所徘徊しています。