陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
純文学とホラー
毎週日曜日の更新を心がけていますが、昨日24日はパソコンのインターネットが使えなくなり、更新できず。

今日は無事です。あー良かった。インターネットが使えないPCなんか、只のワープロだ。

さて、最近純文学が妙に面白いのです。

さて、純文学は人間の心や生活を書いた、娯楽性よりも芸術性あるもので、昔はあまり手に取らなかったのですが。
と、ある敬愛するホラー作家の方が、対談集で押されていた純文学を読んでみたら、これが面白い。

娯楽性とは違う場所に、その面白さがあるのです。語り口や構成の妙。情景描写の的確さや、人の心のち密な解剖。
映像を楽しむではなく、文章の流れを楽しむ。ハラハラではない、しみじみ。
エンタメが遊園地なら、純文学は日本庭園ですね。
走り回るではなくて、腰かけて風景を楽しむ。

その風景も、人間の心を切り取っている以上、時に怖いモノがひょっこり出てくる。

高井有一の「俄瀧」
突然、女子高生に駅のプラットフォームに突き落とされた男。
女子高生は、どう見ても普通の少女。しかし、駅の券売機に割り込んだ主人公を口汚くののしり、それを無視した男をホームから突き落とす。
骨を折って、入院している主人公の病室に、母親と一緒に謝罪に来る少女なのですが、その姿に、男は戦時中に過ごした子供時代など、自分の過去を色々と思い出す。
突然噴出する暴力性を、淡々と静謐に描いています。イヤだなあ。

石川達三の「悪女の手記」
私生児として生まれ、育ったヒロインは、男の身勝手さに振り回された母に反発して成長するのですが、自分も同じように男に裏切られ、身ごもってしまう。
自殺未遂から生還したヒロインは、男への復讐心と生活のために、我が恩師の夫ですら関係し、人の良い老紳士を手玉にとり生きていくのですが・・・・・・文章は、事件を起こして裁きを受ける身となった彼女が、自分の弁護を引き受けた弁護士(子供の父親)に送る書簡の形で描かれています(まだ読んでいる途中)
恨みつらみや女のエゴイズム、悲しさと逞しさが、高尚かつ流麗につづられている女の物語。
昔の男(現:弁護士)への恨みつらみっぷりが、感情的かつ知的で素敵。
暗くて怖い。でも、こんな見事な言葉で恨みをを聞かされるなら、つい聞き惚れてしまうかも。

恐怖というのは、人それぞれ見ている対象や形が異なる、結構複雑な感情でありまして、人の心を緻密に描写している純文学に、その描き方のヒントがあるかなーなどと思って読んでいたのですが。

面白いや。やっぱり、本は探しものより、読むものだわ。






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