陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
怪談の肌感覚
アガサ・クリスティの短編にも、いわゆる『怪奇譚』がございまして。

古本屋で手に入れた「クリスチィ短編全集①」100円です。嬉しいですね、こうなると6巻全部集めなくてはと思います。
クリスティって、ミステリーだけではなく、冒険ものも怪奇譚もありますが、この人はホラーというより本当の「怪談」

まだ一冊すべて読んでいませんが、『第四の男』
話の運びに、描写が本当に怪談です。じりじりと背後から冷ややかなものが忍び寄ってくるこの感覚。正に怪談そのもの。

「第四の男」夜行汽車の中で、牧師と法律家と精神科医が、フランスで起きた4重人格の娘の話題が出る。
粗野で教養のない彼女には、4つの人格があって、人格そのⅠは、母国語も満足にかけずに外国語も話せない。
しかし、人格Ⅱは流ちょうなイタリア語とドイツ語を少し。フランス語は完璧で、政治や芸術を語り、ピアノも上手。
Ⅲは知的だけど、まるで娼婦のような女。そしてⅣはうすのろ。
3人それぞれの専門分野の見地から、4重人格の娘を語り合うところから話はスタート。

そこに居合わせた第四の男が口をさしはさむ。
自分はその4重人格の娘を知っていると。
「その一人の人間の経歴は、もう一人の人間の経歴でもある」
そして、そのもう一人の経歴をしらなくては、4重人格の彼女を何一つ知ることは出来ないと。

その人格転換は、乗り移ってくる死霊の因縁譚であるという運びなんですが、めっぽう怖い。
その第四の男も、退場がまるで幽霊のようでして、私のなかではベスト短編なんですね。
非常に曖昧で、つかみどころのない空気感。

怪談イベントを聞き、怪談本を読み、このクリスティの短編を読みふけりつつ、怪談を構成する『怖い』の一部はこれだなと、頭だけではなく、最近は肌感覚で分かってきた限り。

……で、書けるのかって?

さあね。

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コメント
コメント
知りませんでした
ごきげんようです。

へえクリスティが怪談を?それは知りませんでした。

でも、映画監督でも作家でも怪談は1度は挑戦したいジャンルなのかもしれませんね。
日本でも夏目漱石、太宰治、谷崎潤一郎などの名だたる文豪が怪談を書いてます。宮沢賢治も書いてますよね?

佐藤春夫が三島由紀夫に「文学の極意は怪談である」と言った言葉も有名だそうで、人を怖がらせるってなかなか至難の業なんだなと思います。

甲斐田さんもいつか「これでどうじゃ!」と読者をねじ伏せるような怪談の傑作を書いてください。期待してます
2016/11/25(金) 09:33:31 | URL | ひろみつ #AH9/n9xo [ 編集 ]
Re: 知りませんでした
ひろみつ様

怪談を書いたことはあるのですが、あの空気感が非常に難しい。
そして、目の前にそびえる山がえらく高い……先生は塾生に極意を教えて下さりはしても、座を譲ることは絶対に無いでしょう。

師と全く別タイプの落語をされる、噺家さんの気持ちがよく分かる今日この頃です。

2016/11/27(日) 00:09:53 | URL | みほ #- [ 編集 ]
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