陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
現役と老人の深い溝①
前回、『マイ・インターン』を観ていて考えた。

あの映画は、最新ファッションサイトで第二の人生を送ることになった70才の主人公、シニア・インターンと、若い社員たちの織り成す友情物語。
若手社員は70才の主人公に対して、最初は少々老人扱いをしているものの、徐々に尊敬まじりの友情を持ちはじめ、主人公も若者に対して偉ぶることなく、実に自然体。

イイですねえ、尊敬を持てる対等な年長者って。
あんな風に年をとっていきたいものだと、同級生の男性、W氏に映画の感想を述べたところ。

「夢物語だから、映画になるんだろうが」

熱燗を呑みながら、猛烈なジャブ。

「あんな老人、おらんがな……俺の自治会長時代の話を思い出せ」

あーそうでしたね。
W氏、以前マンションの自治会長を一年間勤めていました。
そのマンション自体が古く、住人も前から住んでいるようなじいちゃんばあちゃん比率が異常に高く、まだまだ現役世代の彼はえらい目に遭ったとか。

「平日、朝の7時に突撃訪問してくる婆さんがおったんや。当然、俺はその時間は出勤前や」
悠々とクソもしてられへんかったと、思い出し怒りのW氏。

「朝にいきなりやって来て何の用だと思いきや、前日の自治会で話し合った、通学路の見守り運動当番の見直し案のことで、自分の話を聞いて欲しいとか言いやがる! しかも、そいつ会合には絶対に来やがらへんくせに、後からそうやって家に来やがるんや!」

「……ドアを開けなかったろうね」

「当たり前や! じゃあ話し合いに出ろってチェーン越しに言うたったわ! そしたらやね、そいつドアに足を挟み込んで 『晩は主人が外に出してくれないんですぅ~』 どあほう! 会合の場所は徒歩20歩じゃあああ!」

元・自治会長の思い出し怒りは続く。

「年寄りってそんな奴ばっかりやねん! その場では何も言えへんクセに、話し合いで決めた後になってから 『ワタシこう思うんです』 『それって駄目だと思うんです』 とどのつまりは『会長さんは若いから、何も分かっていないんです』 それならあんたがやれといえば、『いいえ、私なんかとても無理』 とか言って逃げる! あいつらは後ろで野次を飛ばすしか出来へんのや!あれいやだコレ反対、そう言っても代案は出さへん。正に反対のための反対しか出来へん無能ばっかり。 老人の知恵? 豊富な経験? なにそれ食えるのか? 少なくとも俺は一度もお目にかかった事ないわ!」

……はあ、すげえな。

「年末の火の用心運動で、班で見回りがあったんや。そのメンバーが現役ばかりで、忙しい人達ばっかりだったから、終わったらすぐその場で解散にしたら、ジジイが『昔は終わった後に、集会所で皆で集まって騒いだのに、今の会長になってそれが無くなった。人情が無いもんや』とか抜かしやがってな。そんなもん、やりたい奴でやりゃええやろ! ついでに聞けば、誰がその宴会の用意するんや? 自分で用意するんちゃう。自治会員の女性やで? 何考えているんや、自分が酒飲むために他人に働かす気か! 女性に世話かけさすな!」

とにかく、ジジイは王様意識が強く、自分で動こうとはしない。
飲み会にしろ、行事にしろ、何でも自分より若い奴か、女性にやらせようとするらしい。

そして、昔に比べて、今の自治会は活動が消極的だと、面と向かって文句を言う。
「あんたみたいな今の若い人は、そういうのは嫌うんやなあ」

「貴様の言う昔など知らんわ。そもそも、今現在の役目を精一杯こなしている相手に向かって、言うセリフか?それは」
「何故そのジジイを殺さなかった?」
「死体を片付けるのが面倒くさいだろうが!」

……一年間の自治会生活の果てに、ついに彼は悟ったという。
年をとる、という恐ろしさを。

続きます。

ちなみに、ただ今台湾。

これ、予約投稿です。























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