陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
今更「グリード」

今更です。

今更『クリード』を観ました。

2015年12月公開。


お前『ロッキー』好きなんだろ?じゃあ映画館で見てるよなああ?

と、襟首つかまれそうですが、すいません、ブルーレイです。

ですけど、レンタルじゃなくて新品を購入したので許してください。


さて、話の筋。


養護施設で喧嘩騒ぎが起きるとことから、話はスタートします。

相手を殴りまくっている黒人の少年。

母親の悪口を言われたのが喧嘩の原因。

反省室の独房入りの彼の元にやってきた、黒人の身なりの良いマダム。

民生委員かと思いきや、そうではないマダムに、少年は己の出生を語る。

少年の父は、彼が生まれる前に亡くなって、少年は母親と二人で過ごしていたそう。

でも、その母も亡くなった。その後、彼は施設や里親を転々としていた。


身なりの良いマダムは少年に言う。

「あなたの父は、私の夫だった」


そして、マダムの夫であり、少年の父の名は、アポロ・グリード。


施設からジョンソン夫人(アポロ・グリードの奥さん)に引き取られた少年、アドニスは、成長してから金融商社に勤務しているらしい。

ちなみに、お母さんと住んでいるお家は豪邸です。乗っている車も高級車です。

しかも、お屋敷のでかい門は、自動開閉式だぞ!

でも、勤務外の時間は地下ボクシングの選手です。さすがはアポロの息子。強い。

ついでに言えば、彼の筋肉の付き方は必見。きれいなラインですね。


家の大型テレビにてユーチューブで何度も父の試合を見るアドニス。そして、その動画に重なるようにしてパンチを打つアドニス。

ボクシングへの想いが抑えられなくなったアドニスは、養母に打ち明けます。

「会社を辞めた。ボクサーになりたい」


ジョンソン夫人は、当然大反対。


父親アポロのように、パンチ・ドランカーになって欲しくない。家の階段を登れないほどのダメージを負った夫を背負った日々を思い出し、それに、何といっても、彼女はボクシングの試合によって、夫を失っています。


「ボクシングをするなら、連絡してこないで」


結局、アドニスは家を出るのですが……そして、ボクシングジムを訪ねて歩き、己の父を倒した男、ロッキーの元にやってきます。

ロッキーは『エイドリアン』というレストランのオーナーですが……アドニスはロッキーに懇願する。

「パンチの打ち方を教えて欲しい」

どーでもいいい点ですが、ロッキーの経営するレストランが食材に購入している、大量の玉ねぎの量にちょっと安心した私。

ロッキー・ザ・ファイナルの時と変わらず、お店は繁盛してますね。


最終的に、ロッキー・バルボアは強敵であったアポロ・グリードの息子のセコンドにつくのですが。

そして、ボクシングを始めるにあたって、アドニスが隠していた父親の名のアポロ、セコンドがロッキーという取り合わせが世間に暴露されて、まあそのおかげでビッグマッチ……世界的で有名、でも恐ろしい敵と試合をすることになります。


ロッキーのスピンオフ、として観れば、ほとんど違和感はありません。

ロッキーはスポ根、こっちは青春ものかな。


そして、主要人物たちの背景をセリフで察すると、ちょっと切ない。

ロッキーは、エイドリアンに先立たれ、この頃にはもう、エイドリアンの面倒くさい兄貴、ポーリーとも死に分かれています。息子はロッキーの手を離れ、カナダで彼女と暮らしている。

病によって倒れたロッキー。

彼へ治療を受けることを説得するアドニスに、ロッキーは言う。


女房と、一日でも長く一緒にいるのが夢だった。

でも、もうそれはないと。

あのポーリーすら失ったロッキー。

死が怖くないというより、取り残された孤独がにじむ。


クライマックス、父の名を背負って立つ試合にアドニスは言います。

「俺は誤ちではない」


これ、ひどく切ないんですよ。

アポロの愛人であった母親に対する愛に聞こえる。

父と母は、いわゆる『道徳外の仲』

でも、父のアポロに対する、母の真剣さを表現した言葉でしょうか。


そして、ロッキーの息子は、偉大な父の影から出る生き方を選択。

アドニスは、父のアポロの伝説を背負い、己の伝説を作る生き方を。


ロッキーとアポロの、息子の生き方が対極的ですね。


一番切なかったのは、アポロの奥さん。メアリー・ジョンソン。

アポロを喪った後、ひどく荒れていたと述懐しています。

夫の愛人の息子でありながら、アドニスを引き取って育てていたのも、夫の息子だから、という理由が透けて見える。

アドニスを愛していたことが、彼をボクシングでを失いたくない想いが、セリフからうかがえます。

「あなたはアポロの息子だ、でも彼と同じ道を歩む必要はない」


アドニスも、養母のメアリーを愛している。


「ボクシングをするなら、もう連絡しないで」そう言ったメアリーの反対を押し切って、ボクシングをするために故郷を離れた彼が、養母メアリーに『エア連絡』を取っているシーン。

つながっていない携帯に向かって


「声が聴きたい」


過去の好敵手への友情、見ぬ父への慕情をつないだ師弟愛が、この映画のメインですが。

その片隅には、血のつながらない母と息子の愛と、亡くなった夫の面影を愛し続けた妻の愛もある。


深読みしても、いい映画です。

ロッキーとアドニスの関係が、師弟から家族愛に変わろうとしているセリフもあり。


ただ……音楽が、ロッキーのテーマがあまり使われなかったことが悲しい。

でも、いい曲ですよ。


































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