陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
怪談もどきな人々

東京に本社があるせいか、我が職場は圧倒的に東京出身者が多い。

そして、東京からやってきた単身赴任者が非常に多いです。

会社には男性用の寮があり、単身赴任や独身、男性社員ほとんどがその一か所に住んでいます。


時として、直属の上司が上の部屋に住んでいることもあり、親睦を深めることもありますが、時として思いもよらない災難もある。


直属の上司、カワウエさんは東京にいる家族を残して大阪にやってきたお方。

男子寮にお住まい。そんな彼が話してくれました。


「俺の部屋の上には、前部長が住んでいてね。その部屋は幽霊が出るっていう、いわくつきの部屋だったんだよ。ずっと昔、過労死で亡くなった人が住んでいた部屋らしい」


……まだ太陽も昇らない夜明け前、金縛りになって目が覚めるらしい。

すると暗い部屋の中で、自分の顔を覗き込んでいる、見知らぬ男と目が合うという。


「大体、週に二回くらいの割合で、前部長の部屋に出てきたの。そいつ」

「ほほお」


幽霊と金縛りによって起こされた前部長。

金縛りが解け、男は消えた。アレは夢だ、そう思いこもうとするが、二度寝する気には(怖くて)ならない。

時刻は明け方の四時半。

布団から起き上がる前部長。

そして、トレーニングウェアに着替えて行く先は、下に住んでいる部下の部屋。

玄関のチャイムを鳴らして


「カワウエくーん、一緒にマラソンしないか~?」


「無視しましょうよ」と、私。

「それは出来ない。俺はサラリーマンだ」カワウエさん。


前部長の部屋に幽霊が出た朝は、一緒に明け方前の川沿いをマラソンしていたらしい。


「今朝も出たよ。カワウエ君、あいつ一体何が言いたいんだろうなあ」

「お寺さん呼んだらどうです?」

「しかし、寮の部屋だからね。寮の幽霊の御祓い費用なんて、人事部にどう申請すればいいんだろうな。部屋の修理でもないし、生活備品の買換え申請でもない。第一、人事部がお祓いの予算を認めてくれるか分からんし。自宅ならとにかく、会社の寮のためにお祓い費用を自腹っていうのも腹が立つよな」


……とか何とか言って、上司と部下で一緒にマラソンしている間に、部長は大阪任期が切れて東京へお帰りになったそうで。


キミが幽霊話を聞きたいというから、話したんだよとカワウエ次長。


うん、確かに幽霊話だ。

しかし、私が求めている類の話ではない。


ちなみにホント、実話です。















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