陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
2月3日分:もしもモノを書いていなければ……

フツーに事務職で働いていますが、実は、今の仕事嫌いじゃないのです。


完璧な書類……あれほど美しいものはありません。

過不足なく添付された参考資料やエビデンス、整ったフォント。鮮明に押された赤い印鑑。

簡潔に、しかし必要な情報を全て詰め込んだ報告書には、相手取引先と当部の関係が、そして時系列がはっきりと浮かび上がります。

無感情に、無機質に描かれた、丁々発止の会話の記録の生々しさよ。


丁寧に記入された数字と日付、定められたフォーマットの従って作られた書類には、一種の形式美と機能美すらありますわな。


「……と、いうわけで、私、モノ書きを目指していなければ、管理職を目指していたと思うんです」


昼ごはん後に、主任の女性上司とお茶をすすりながらの会話。


「もしもそうであったなら、主任と私は、こうやって仲良く茶など飲んでいる場合ではありません。この部の権力をめぐり、はみ出たハラワタを血で洗うような争いをしていたでしょう」

何を勘違いしている、と主任が目を上げる。


「今も仲良くないぞ」

イケズなこと言うし。


「大体だね、キミが権力者を目指す、その目的は何なのよ?」

「そうですね、とりあえず権力者の特権、部下にモラハラとセクハラでもしようかと」

「キミ、この会社のコンプライアンス管理部の恐ろしさを知らんな? そんな事して、部下から匿名で訴えられたらどうなると思う? コンプラから暗殺部隊が差し向けられるんだぞ」


そ、そんな……と愕然となる私。

部下にモラハラもセクハラも出来ないなんて、何のための権力でしょう?


「じゃあ、何のために出世するんですか!」

「そうだろ、だからつまらんこと考えてないで、おとなしくモノを書いとけ」


キミの選択した道は正しいのよと主任。そうですよねと私。


しかし、思い返してみるとあの会話は、主任のライバル排除作戦だったかもしれない。


仲良くないし。













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