陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
仕事への愛

いや、ホントに今の仕事、嫌いじゃないのよ。


別名『退屈仕事の代名詞』と呼ばれる事務ですが、なぜそんな言われようなのか、疑問がわくほど。


綺麗にそろった計算式。きっちり合った集計。

合理的に揃えられたエビデンスに参考資料。


特に大好きなのが『同時進行』という仕事の進め方。

それぞれ異なる仕事のスケジュールを、パズルのように組み合わせ、合理的に手順を配分し、どうやって最短距離で終結させるか。

そのためには、どうやって事前準備を進めるか、誰を抱き込み、手伝わせ、資料を作っておくか。

机上の戦略、戦術です。これがまた面白いの。


「根回しや駆け引き、時には自分より立場が上の人間を、どう言いくるめて篭絡させるか、自分の言いなりに印鑑を押させるか、落とすか落ちるか、この大人の刺激的なゲーム……やっぱり私は、この仕事を愛していると言えましょう」


乙女のように頬を赤らめるわたくしへ、フンと主任……女性上司。


「オタンコナス」

「のっけからそれ?」

「そんなんで何が愛だ……キミは『仕事を最短距離で終結』と言ったな? そもそも、愛に『終結』という単語を使った時点でまがい物よ。愛する対象に終結は望まない。あるのなら『永遠』でしょうが」

「残業はヤダ」

このすっとこどっこいと主任。オタンコナスといい、罵り単語が古い。


「愛といったな? 愛とは自己犠牲、どこまでもあなたと永遠に一緒、魂はあなたと共にある、というのが基本形だろうが! 見ろ、隣チームの次長を!」


始発で出勤、終電で帰宅。帰ってから、カップ麺食べつつネットで世界経済と政策や金融動向をチェックして、朝の3時に就寝。月に三回休日出勤で、ちなみに酒は飲めないというお方です。


「魂を仕事に捧げた彼と比べてみろ。書類のエビデンス? 美しさ? んなもん、表面的なものに過ぎない。愛とはそんなものなのか? 君の愛など口先だけのもの。キミは相手のために、睡眠時間を削ることが出来るのか? 娯楽も己の時間も全てを相手に捧げ、相手の事のみを想い、考えているのか?」

「それ、自己犠牲ってやつですか……」

一番嫌な言葉です。


「キミがどんな愛を口にしようと、私はそれを愛とは認めない。キミは所詮、己の事しか考えていない人間なのよ。キミの思う愛は幻想であり、己の都合と快楽を求めたうえでの結論に過ぎない」


ほら、印鑑。と主任。


経費支払いの書類を、本部に送付するために印鑑もらいに行き、そのついでの戯言が、こんな会話になってしまった。


また言い負かされたわけですが。


何だかなあ、自分がすっごく浅はかで薄情な人間のような気がするな。


























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