陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
山へのお誘い

一人一人はマイペース。

書いているものも、物事を見る視点も、愛するものもジャンルもそれぞれ。

仲が悪いではないけれど、一致団結という場を見たことが無い気がする……それが作劇塾(反論OK)


しかし、反・アウトドアとしては一致団結し、非常な抵抗と非好意的態度を見せますね。

その気になれば一生家にこもって、映画と書物の海に浸かっていられるという先生を筆頭にした、無敵のインドア集団です。アウトドアの扉を開けた、私を見る目が冷たい。


「山のどこが楽しいんです?」

「そんなもん疲れる」

「あかんな」


まあそんな声を背中に浴びながら、山に登っていくわけですが。


良いもんですよ、山。

平地を歩く以上に体力と時間が要りますが、山の中って、街中と違って派手な色彩や人工的な音、余計な外部情報が無いので、視覚と聴覚に優しいんですよ。

そして、時折、エア・ポケットに落ちたように、山中全くの一人きりになる瞬間があります。

見回す限り、人の気配は無し。あるのは樹々と岩、そして鳥のさえずりと風。


余計なモノが見えず、聞こえもしない。そして黙々と足を運んでいるので、考え事に没頭できるし、また、何も考えずにもいられる。

たまに、途中のご褒美のようにある山の上からの眺望。

小さな街並みや海が、自分の所有物の気分。

「ほほほ、愚民ども」

……山中、一人なのを良いことに、麦茶片手に征服者の気分に浸る。


先日、比叡山に登って、帰りに『紀貫之』のお墓に寄ってみた私。

道中、山道を教えてくれた親切なロマンスグレー登山者が、その場所を教えてくれたのです。

「紀貫之のお墓は、時間があったら行っときなさいよ。琵琶湖がよく見えるから」


山中、樹々に囲まれた場所に、紀貫之のお墓はぽつんとありました。

三十六歌仙で、土佐日記の作者。でも想像以上に簡素で小さなお墓でした。

この地から見える、琵琶湖の風景を愛した貫之は、ここに墓を建てて欲しいという願いだったそうで。

「……ふーん」

そんなに琵琶湖が良く見える場所かいな……? 

首をひねりながら、その場を離れて数分ほど下ると……おお。

ロマンスグレーの仰る通りでした。

「うわ……」

樹々の間から、広がる琵琶湖の青と、空の青。二つの青が溶け合う光。

しばらく、見入っていました。

「また、来るかな」

山の良いところって、お店や施設と違って、無くならないところ。

私の見る風景と、紀貫之が見ていた風景は違うでしょうけど、同じものでもある。

ロマンスグレーの男性に感謝しつつ、下山した私。


それにしても、山登りする男性は実にいい人が多い。

と、言うことなので。

青年たちよ、人格を磨くためにも山に登れ。








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