陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
遭難と人生

カエルとの遭遇、そして『登れば遭難』キャッチフレーズにまでなった私の登山スタイル。

こないだは、アクセサリーを取るのを忘れたままで、鉄鎖を使って崖をよじ登り、気がついたら指輪に傷が……やべえ! カルティエのトリニティリングに傷が!

離婚したら、真っ先に質屋に入れてやると誓っていた逸品が……


そして今年は猛暑らしい。

5月なのに、すでにこの暑さは何だ? こりゃ登山どころか、登山口に行きつく前に熱中症にかかってしまいます。

トレッキングシューズとソックスは分厚くて暑いのよ!

しかし、理由はそれだけではない。

……ちゃんと、小説書かないとね。


「しかしですねえ、やっぱり山登りが思いきれんのですわ」

語る相手は、仲良くない女性上司の主任です。

ヒマだったのでね、会議の時間がくるまで、まあちょっと雑談を。

「もうすぐ梅雨ですから。そしたらすぐに猛暑です。インド人も逃げ出す関西の夏、例え山の中でも、うだる暑さが山を支配し、逃げ場はないでしょう。登山命がけ。そうなる前に、山に登っておこうかと思うんですよ」

「毎回毎回、遭難している割に楽しそうだな、山登り」

「まー所詮はハイキングコースのある山ですからね。しかも季節は初夏、遭難たって知れていますよ。日は長いから猶予もあるし、迷ってもとりあえず、上の山頂を目指せば登山コースも戻れます」


あ、これは本当です。山登りの基礎。

山道に迷ったら、下に降りるではなく、上を目指せ。

山頂ならハイキングコースがみつかる確率は高く、携帯の電波もつながりやすくなります。

「遭難馴れしたな」

「この極意を会得して以来、素直にスリルを楽しめるようになりました。おかげで遭難が楽しくなりつつあります」

「……山か……それなら遭難も楽しいよな」

ふっとニヒルな笑いの主任。

「山なら、道に迷った、というのが嫌でも鼻先に突き付けられるからな。今の自分の状況をすぐに把握するのもたやすい。そうなればすぐに対策も立てられるし、スリルを楽しむ余裕もある」


……ええと、厭な笑いですねえ、主任。


「それに引き換え、人生の遭難て気が付かないんだよねえ。例え人生の袋小路に入っていようと、まあ今現在は生活できているという状態が目隠しになって、危機感も希薄。今が良いならそれで良いさという、楽観主義に化けた怠惰な精神が精神を蝕み、将来がヤバいという危機状況を察知するのも難しい」


主任、あの~……そうまっすぐに見つめられると、まるで真綿で首絞められている気分になるんですけどね。


その時、会議の招集がかかったので、椅子から立ち上がる主任。

「まあ、頑張って登り給え」


主任! 私の人生に何を見たのですか主任?!


部下の叫びを知らんぷり、すたこらさっさと会議室へ向かう主任。


……やだなあ。

日曜日、登山の計画どうしようかな。


悩みに取り残され中です。



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