陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
不仲な二人

お昼休みの食堂にて

「出会って10年、いつの間に私たちはここまで乾いた関係になったんでしょう」

うどんを食べながらしくしくと訴える私。

「初めてあった日の私たちはこんな関係じゃなかった。もっとお互い、愛想が良かったのに……」

「誰だって、初対面は愛想が良いわ!」

蕎麦を食べながら口を曲げる女性上司・主任。


「大体、何で倦怠期の夫婦みたいな会話をキミとせにゃならんのよ」

それもそうですがと答える私。

「大体、君とはどこまでも趣味が合わんし」

「まあねえ、主任とは趣味の話で盛り上がったことは皆無ですね」

「キミのホラー好きはどこまでも分からない。私にとってこの世から無くなっても良いものがスプラッターとかホラーなのよ」

「実は私、主任のお好きな『感涙モノ』というジャンルは撲滅しても良いと思います」

「何でわざわざ怖いもの見るのが面白いのかね。精神的マゾとしか思えん。」

「テニスだのマラソンだの、自分自身を体力的限界の崖っぷちに追いやって痛めつけるのも変態ですわ」


しばし、無言の上司と部下。


「私の友達には全然いないね、キミのようなタイプ」

「いやー友として親しくなろうにも、私と主任の間のどこに接点があるんです?」


職場って凄いよねとしみじみと主任。


「仕事というのは、共感とか好き嫌いの個人的感情を排除して、役目や能力を重点にして集まるものだからさ、性格の相性なんて関係なしの人間関係なのよねえ。ある意味すごく合理的、かつ運命的」


二人しみじみと互いの昼食を見つめる。

主任は蕎麦派で私はうどん派。


「私、主任とは仲良くなれない気がします」

「有難いね、私もそう思う」


……主任とは、いつもここだけは気が合うんだよな。

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