陶磁器と文鳥と作劇塾
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駄文更新:座頭市兇状旅観賞

座頭市兇状旅……またも酒を飲んで転がっているお侍登場。

どうしてヤクザの用心棒は、酒を飲んで転がっているのがお約束なのだろうか……とその理を悩みながら観賞。観賞の角度は人それぞれなのです。


よく考えてみよう。あれは浪人ですね。浪人と言えば無職。

真面目な無職であれば、傘貼りのバイトと剣の鍛錬をしながら、仕官の口を探すであろう。

しかし、用心棒に入るタイプとは、フツーのヤクザよりは立派な刀を持っているのを良いことに、ヤクザ相手の手っ取り早い商売……ふむ、性格上真面目とは言い難い。

成程、酒という小道具がよく似合う。


ところで『座頭市兇状旅』は、1作目からのヒロインおたねさんが三回目の登場。

恋していた相手の市を諦めて、堅気の大工の嫁になっていたと思いきや……あらら、他の男の女として登場、市と再会。

市と別れた後、男関係で辛酸を舐めまくりのおたねさん。最終的には浪人の女になって、悪事もやらかしてきたらしいと匂わせています。そこで一番会いたくない相手の市と再会。

「もう昔の私じゃない」

そう市に訴えますが、それでも市の思い出の中では、自分は今でも汚れの無い娘だと知り、逃げ出すおたねさん。


ヤクザで盲目という素性から、自分のために身を引いてくれたんだとおたねさんも分かっちゃいるんだろうけど、結果的に市に置いて行かれたせいもあって人生変わったんだし、その市への慕情と恨みと自己嫌悪。うっわーこの辺りキツイわ。


ラスト、おたねさんを切り殺した浪人は、市に向かって「お前を罠にかけようとしたのはあの女だ」

「女はいつまでも小娘ではおらんぞ」そう言い残して死ぬ浪人。

「おたねさんは美しい人だ」呻く市


結局、おたねは座頭市を売ったのか否か。


話の流れを観ていると、おたねは市を売っていないと解釈しています。

市は浪人の言葉を信じなかった。

それに、おたねにとって市の中では純な小娘のままでいるのが望みだっただろうし。

恋って残酷ね。

浪人の生態も見つめながら、しみじみと思った私。

そしてもう1つ悟る。


男で人生狂わすのは、女子力が高い証拠だな。









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コメント
コメント
芝居の型では?
ごきげんようです。

どうしてヤクザの用心棒は、酒を飲んで転がっているのがお約束なのだろうか……>確かにそうですね。お約束というか、昔の芝居で言う「型」みたいなものなのかもしれませんね。

例えばデニーロがカポネを演じる「アンタッチャブル」の冒頭でカポネが床屋で髭を剃ってもらってる場面がありますが、昔のハリウッドのギャング映画を見てきた人ならニヤリとする場面です。

かつてのギャング映画は、必ずボスが床屋で髭をあたってもらう場面が出てきたらしく、お約束だったみたいですね。
それと似た感覚で、用心棒は背筋を伸ばして正座してるよりも酒飲んだくれて寝転がってる方が強く無精ったらしいけど腕は立つように見えるように思います。

そういう1つの「型」じゃないかと思います。

丹下左膳もそうだし、「用心棒」の三十郎も無精ったらしいしむさ苦しいですね。

そういえば亡き桂米朝師匠の「本能寺」で、米朝師匠は昔の芝居の型を面白おかしく演じて見せるくだりがあります。

例えば泣く芝居。
子供が泣く時は、子供はあまりリアルな芝居をしない方がいい。一本調子の棒読みみたいな芝居の方がいい。

泣く時は、両手を目に当てるんですが、目と手を10センチくらい離して、手を動かさずに顔を動かす。この方が哀れさが出るからだそうです。

お婆ちゃんが泣く時は、手拭いを田楽団扇で扇ぐように左右に振ると泣いているように見える。

リアルさよりも、客が見て、わかりやすい、型として酒飲んで寝転がってる用心棒の描写も、わかりやすい「記号」のような型として、そういう演出があるんじゃないかなと思います
2017/07/09(日) 14:57:38 | URL | ひろみつ #AH9/n9xo [ 編集 ]
Re: 芝居の型では?
ひろみつ様

ああ。型か! そう教えて頂いて、気が付くものがあります。
そういえば、芝居も歌舞伎も日本の伝統芸能には『お約束』『型』があり「ほら来た来た!」とばかりに観客を喜ばせるものでした。そのルーツや原型も、調べてみたら面白いかもしれない‥…

ベタ、というのも私が愛するお約束の一つでして、型とちがって、どこか泥臭さがあるこの演出。
刑事のヤマさん、ヤクザのマサ、これも一昔のお約束人名。

人は定番というものを愛しますが、べたにお約束というのは、何故ここまで愛される? 定番となりえたのか?

ネトラジ、もしくは作劇塾インプットテーマに上げてみたい気がします。

何か、とんでもないエピソードが出てきそうで楽しみです。


2017/07/09(日) 21:29:56 | URL | みほ #- [ 編集 ]
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