陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
買った以上は行かなきゃな

ザックを買った。


45リットル、フツー街中で使っているリュックの2倍強くらいかなあ。

緋色のフェールラーベンです。うふふ、可愛いの。

これを買った以上、山に行かなくては……つうか、高い登山靴も買った際に「アルプス行くぞ」とか言っていたな、私。

じゃあ行くか。


……職場にて聞かれる。

「で、どうやったら遭難できるのよ」

我が上司・主任です。上司と部下の溝が広がった割に、会話はしている。

「つうか、六甲山だぞ。あそこは確かに子供から上級者まで、登山コースは多いけど、ちゃんと道標も整備されているはずだけど」

「ほほほ、遭難するにはコツがあるんですよ」

「地図とコンパスを持って行かないとか?」

一瞬、危険な目つきの主任。世の規律厳守の彼女は、アウトドアの持ち物の規律にも厳しい。

何を仰るのです。コンパスと地図は山歩きの必須アイテム。そんな基本を無視の愚の骨頂など犯しませんよ。

ちゃんと持ってますよ。登山愛好家地図御用達『昭文社発行・山と高原地図』です。

「地図よりも、己の勘を信じて行くんです」

何だかねえ、時々面白そうな道があるんですよ。

確かにコースからずれている気もするんだけど、あの道の奥に何があるのかな~なんて、好奇心を刺激する道が……


「で、歩いていくでしょ?  そしたらね、道の幅がだんだん狭くなり、枝や樹々が密集し始め、人の気配も無い、秘境じみた空気が濃くなっていくんですよ。でも、せっかくですから歩いていく。人の手が入った地元のハイキングの山に、こんな原生林みたいな世界がまだ残っていたのか? 私はそこに足を踏み入れた最初の人間かもしらん……自然とロマンの瞬間ですわ」

「……」

「そして、その時、私は人間の世界から、秘境に迷い込んだことに気が付くのです。自然に包囲されたこの場では、同胞たる人間はいない。世界からはじき出されたような、この透明な心細さと不安定感。アナザーワールドに迷い込んだアリスのような心持。迷子になった幼児が抱くであろう、あの原始的な恐怖感……まあ、日常では味わえない感覚ですわね。クセになりますよ」

どーせ毎回家に帰ってるし、とのどかな私。

「……日本アルプス行くって言っていたな」

渋面の主任。


『下山予定日を過ぎても、救助隊は出さないでください。遭難を楽しんでいます。ご迷惑はおかけしません』


アルプスに行くのなら、このような文を一筆書いてから登れ、と言われてしまった。


アルプスはやだなあ。

ヘタレだから。












スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://miho1130929.blog.fc2.com/tb.php/485-d10b97fd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック