陶磁器と文鳥と作劇塾
作劇塾の塾生です。塾での日々、及びアンティークや陶磁器類、そして文鳥の雑文
駄文更新
先日のネトラジのテーマが『トラウマ』だったせいもあって、もう一度観てみる気になった映画『眼には眼を』

名作のバッドエンド映画です。
ストーリーはブログやレビューなど、他の方々が詳しく書いておられますが、テーマは『逆恨みによる復讐』

舞台は砂漠の国。
雨の降る夜、フランス人医師のバルテルの元に男が訪ねてくる。妻が腹痛で苦しんでいる、どうか診てくれと。だけどその夜、バルテルは非番で疲れていたので、診療を断ります。何を食べたんだ? ここでは何もできない。車であと二十分も行けば、病院があるからそこへ行ってくれと。
次の日の朝、出勤途中、バルテルは路上に放置された男の車を見つけます。そして、出勤したバルテルに部下の医師が言うのです。
昨夜運び込まれた急患の女性が死んだと。腹痛と高熱。実は子宮外妊娠だったと。
この病院に来る途中、車が故障して、夫は妻を伴い、六キロの道を歩いてきたのだと。

誤診してしまった部下は言います。
『先生だったら、助けられた、誤診などあり得ない』

それから始まる、深夜の無言電話。誰かが自分を尾けてくる気配。あの男だと、バルテルは自分の立場を説明しようと、妻を亡くした男、ボルタクを探します。その結果、奥地の村へ診療に行く事になり、そこで車を壊されて足止めを食います。
帰ろうにも、街へ出るバスは週に一度。そこに出現するボルタク。
商談のために、街へ行く。一緒に行きますかと。
それがボルタクの復讐。バルテルはボルタクと共に、徒歩で砂漠をさまよう羽目になるのですが。

ダマスへ行く道を知っているというボルタクに、散々引きずり回されるバルテル。
道を間違えただの、枯れ井戸に連れて行かれただのと、何度も失望させられ、喉の渇き、気力も体力も使い果たしたバルテルは叫びます。
「もう、死んだ方がましだ。殺せ」
ボルタクは言います。
私も妻が死んだ時、そう思った。同じような気分を味あわせてやろうと思っていたと。
「やっと死にたくなったか。だが俺は人殺しじゃない」

「街は、あの山の向こう。信じないだろうね、だがこんどこそ本当だ。早く行ったらどうです? ひとりで」

そして、昼寝を始めたボルタクの腕を、バルテルはナイフで切りつけ、治療して欲しければダマスへ連れて行けと脅すのです。
そのままだと、腕は壊死して腐るぞ、死にたくないだろう?
気が変わったか?と。
「そうです、すっかりね……変わりました」
その時、ボルタクは最初に示した『あの山』ではない方向を見やります。
「あっちです」
そして、二人はよろめきながら砂漠を歩き続ける。弱っていく二人。
そして倒れるボルタク。
「まっすぐです、ずっとまっすぐ……お気をつけて、良い旅を」
笑うボルタク。

そして、有名なラストシーンです。
歩いて行くバルテル。引いて行くカメラ。やがてアングルは俯瞰となり、バルテルの行く手を映します。どこまでも続く、果てしない砂漠。

……ボルタク、バルテルを殺す気は最初、無かったと思っています
腕を切られ、バルテルに脅迫された時点で「気が変わった」んだろうなぁ。

逆恨み、と言われていますが、私はボルタクの方に同情気味。

腹痛と高熱で苦しむ妻を、雨のなか六キロも歩かせて、しかも誤診で死なせてしまった。
犬死だと、ボルタクは言いました。
実際に誤診したのは若い部下ですが、その状況に追いやったのは、バルテルかなあ。
「先生だったら、助けられた。誤診などあり得ない」
部下が言った言葉。これは自分の未熟さを悔やむ言葉か、それとも、ボルタクが最初バルテルの元に訪れたのを知っていたのか、否か。
知っていたのなら、部下もまた、バルテルを責めている。
「何を食べたんだ? 鶏の詰めもの?」バルテルはあの時、電話口で患者の状況を聞いただけでした。でも、部下は思ったのか。先生なら、患者の顔色や苦しみようを見れば、只の腹痛じゃないと分かったかもしれないと。

医師だって人間です。疲れていることもあるでしょう。
ですが、愛する妻が苦しんでいるのを目の前に、ボルタクは必死だった。
それなのに、救いを拒絶された。誤診よりこっちの方が、恨みは深いでしょう。
気持ち、よく分かる……。

ボルタクにふかーく同情した私でした。

気晴らしに、ファイナルデスティティネーション見よう……



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