今更ですけどね。
焼肉食べつつ「ロリータ」を観ました。
ちなみに鹿児島産黒牛和牛が、スーパーで半額だったので出来た焼肉です。
おかげで部屋に肉の匂いが染みついています、ファブリーズも無力なので、窓を開け放った家の中の気温は2℃です。どうでも良いか。
有名ですけどね、ロリータ。
前幕は、荒れ果てた邸の中。酒に酔いつぶれ、落ちぶれている男、その落ちぶれた男を殺そうとしている復讐者の場面から始まります。
事の起こりは4年前。
パリからアメリカにやって来た大学の先生、夏を過ごすために下宿探し。
候補先の下宿先、主人の未亡人の押しつけがましい自分のアピールと、宿の売り込みにウンザリとなった教授でしたが、「ここは止めとこう」そう思いながら出た庭で、水着姿で日光浴していた未亡人の娘に魂を持って行かれて下宿を決意。
ここから始まる教授の転落劇です。
未亡人の娘……ロリータと離れたくなさに、未亡人と結婚。
でも未亡人は、夫となった教授の日記を盗み読んだ事で、彼の欲望が娘へ向いている真意と、自分への嫌悪感を知って家から飛び出して、車にはねられて事故死。
教授は、ロリータと二人きりの生活を手に入れたのですが、何せ相手は子供と大人半分半分の美少女。
ロリータは何を考えているか分からない。
恋する男にとって、当然、不安ですわな。
嫉妬の塊ですよ。
高校生活を送る彼女に近づいてくるであろう、男子学生の影に怯え、怒り、嫉妬し、ロリータを閉じ込めようする。
その一方で、家事や料理は自分がして、ロリータが欲しがるものは全て与える、彼女に奉仕状態の生活の教授は、ロリータの奴隷であり、暴君。
ロリータが自分の監視下に置けるように、ついには学校を辞めさせて自動車という密室に押し込み、二人きりで放浪の旅ときたもんだ。
尾行してくる車に怯え、警察に怯え……己で作り出した閉塞感と追跡者に恐怖する主人公の教授、その姿は実に鬼気迫る姿。
奉仕と支配が混ざり合う、極端な関係性。その狂気は、ホラーの題材としてよく使われますが、それなら「純愛」も然り。
本当、純愛って怖いわな。
「あなた以外、誰も目に入らない。アナタとワタシ、二人だけの小さな世界に永遠を閉じ込めて、一緒にずっと暮らしたい」って、願望だけなら美しいけど、実行に移したらホラーに早変わり。
結局、ロリータが本当に夢中だった相手は……ああ、教授じゃなくて……そうですか。
まあいいか。最終的にロリータは幸福だし。
でも美少女って、ホラーっていうより残酷ね。
しかし、可愛いから許す。
焼肉食べながらキューブリックの「ロリータ」とはシブいですね。
これ見てないんです。内容は知ってるんですが。ジェイムスメイスン主演ですね確か・・・・・
美少女に翻弄されて転落する男の話でしたっけ?この美少女を美少年にしたら「ベニスに死す」になるのでは?と勝手に思ってます
美しいものに惹かれるのは人として実に普通ですが、老いた人間にとっては、特に若くて美しい存在に翻弄されるのは、天国と地獄の味わいだろうと思います。
あれも一種の幸せかもしれない、とロリータに振り回されるジェイムズ・メイスン観ながら思っておりました。