梅田の百貨店で、英国フェア開催中……ってもんで、仕事帰りに寄る。
イギリスですか……ロンドンは好きですよ。あのコンパクトな街。大英博物館もナショナルギャラリーも、テートモダンも、ぎゅっと詰め込まれていて、歩いていれば、あちこちに彫像や緑があり、石造りの建物は歴史があって美しい。
どんな安い店でも、出される紅茶は熱くて美味い。
スコーン美味かったな。生クリームとバターの中間の濃厚さを持つクロテッドクリームって、日本であんまり売ってなくてねえ……あ、ジャムがまた、旨くてね。
そして、タータンチェック柄が好きでしてねえ……あ、ウィリアム・モリスのあのクラシカルな文様も大好き。
……なんて思いつつ、催事場を歩いていたんですが。
「スコーンを買うのに、10メートル以上人が並んでいる……」
木曜日の夕方に、それはねえよ。アンティークの出店から、紅茶まで混雑しているし。
アンティークを見ながら、またロンドンへ行きたくなった。
朝飯以外のご飯はナンだし、付け合わせのイモの量が異常だし、フィッシュ・アンドチップスの量に半死半生で完食し、アフタヌーンティのケーキのでかさに気絶しかけ、卵サンドイッチのマヨネーズには味がついていなかったという思い出ばかり。
でも、この催事場の大混雑を見ていると、そんな旅行が懐かしい。
人生初・初めて行った外国の蚤の市は、ロンドンのポート・ベローだったんですよ。
あの興奮は、一生の思い出。ホントに宝の山だった。
ちなみに、私と同じく、一人旅派の我が友人は、イギリスのサンドイッチの具が『サーモンと思ったら生ニンジンだった』と涙を流していました。
独り旅って、こういう食事の悲劇がよくあるんだよな。